コートの下は半袖を着るような気候が続いています。
元々当地は日中の寒暖差が激しい内陸性気候ではありますが、体調を崩さぬよう配慮が必要となります。
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さて、今年度も恒例となりました、『おくすり何でも講座』が松本市を中心に早くも開催されています。
この事業は松本市の福祉ひろばを中心に、薬剤師会会員が出前講座としておくすりの講座を行うといった内容です。
血圧、便秘、くすりの飲み方など過去色んなテーマで開催しましたが、
今年のテーマはズバリ『残薬』です。
そこで今一度残薬についてまとめてみました。
リンク元はコチラ⇒松本薬剤師会HP
Q 『残薬』ってなんですか?
A
診療所や病院などから処方されたものの、飲み残したり飲み忘れたりして残っている薬のことを『残薬』と呼びます。75歳以上の方だけでみても、残薬が年間475億円も発生し、医療費を圧迫しているとの推計もあります。 |
◆ 1.残薬の原因とは? ◆ |
①出されている薬の種類が多く、整理が出来なくて服用できない。 例えば、内科、整形、泌尿器科などと色んな医療機関を受診している人で起こりやすいケースです。 薬の種類が増えていくほど、管理が難しくなって飲み残しが増える傾向にあります。 ②薬が飲みにくく残ってしまう。 漢方薬などの粉薬やカプセル剤、配合剤などの大きな錠剤は飲み込むのが難しい場合があります。 飲み込むストレスが大きいと、服薬拒否につながる場合があり、薬が残ってしまいます。 ③薬を飲むタイミングが難しくて飲み忘れてしまう。 1日3回服用する薬は、1日1回で済む薬に比べどうしても飲み忘れてしまう傾向があります。 また、1日2食だったり、夜間勤務、不規則な生活パターンなど、生活状況と服用のタイミングがうまく合わないことにより飲めない薬が発生する事があります。 ④自己判断で薬を調節しているので余ってしまう。 特に自覚症状がないので自己判断で服用を中止してしまったり、副作用や依存が怖くて勝手にやめてしまうことにより残薬が発生します。 ⑤その他。 ・認知機能の低下により、薬の管理が自分では難しくなり、いつの間にか薬がいっぱい余ってしまう高齢者も多く、家族や介護の方の助けが必要となる場合があります。 ・余っている薬があるけれど、医師や薬剤師に話しにくいのでそのままにしてあると、残薬はいつまでたっても少なくなることはありません。 ・飲み残しや飲み忘れがなくても、残薬が発生するケースもあります。たとえば、次回受診の日までの日数より、余裕をもって多めに薬が処方されている場合や、体調が悪化した時だけ服用するお薬で特に体調変化が無かったような場合などです。 ・「薬を出さない医師は患者受けが悪い」と言った風潮があり、受診した患者にはひとまず何らかの薬を出す医師も多いです。また、国民皆保険による患者さんの医療コスト意識の低さがその慣習をさらに助長して、残薬を生じる原因の一つとなっています。 |
◆ 2.残薬が引き起こす問題 ◆ |
①患者さんに対する問題 ・処方された薬そのものが変わったり、薬の名前やデザインが変更となった時に、残薬があると混同してしまい古い薬と新しい薬を重複して服用してしまう危険性があります。 ・医師は薬が服用できているものとして今の状態を評価することが多いため、服用できていなくて状態が悪い時には、さらなる薬の追加となる事もあり、薬がどんどん増えてしまう多剤服用の原因となります。 ②社会的な問題 ・くすり問答でもお答えしましたが、75歳以上だけの残薬を低く見積もっても、年間475億円となります。これが国民全体であれば年間1000億円をはるかに超えると予想されます。残薬を減らすだけでも増え続ける医療費を抑え、国民皆保険のシステムを維持するのに重要な役割を果たします。 ・海外では残薬をトイレに流すことによる環境汚染や、未成年者が家の残薬を乱用するといった社会問題が深刻となっています。 |
◆ 3.残薬があったらどうすればよいの? ◆ |
まずは実際の残薬を、薬を出してもらっている薬局へ持参して下さい。 その中から保管状況や使用期限、現在処方内容との確認などを薬剤師が行い、利用できるかどうかを選別します。 そして次回処方時に医師へその情報を伝え、処方日数を調節してもらうなどして残薬を再利用します。 また、残薬の発生を防ぐための手立てとして、処方内容そのものを確認し、飲みにくかったりタイミングが難しい薬は医師と協議の上で変更できる場合もあります。 さらに、薬を服用タイミングごとにパックにする「一包化」や、服薬カレンダーやBOXなどを用いて服用しやすい環境を整える事も出来ます。 特に複数の医療機関を受診している方では、「お薬手帳」を用いて各医療機関に現在使っている薬の内容をお伝えすることで、不要な薬や飲み合わせの悪い薬、重複する薬などを避ける事が出来ます。 また、お薬をもらう薬局を一つに絞り「かかりつけ薬局」とする事で先に述べた内容などで一元的に薬を管理してもう事が可能となります。 普段から「かかりつけ薬局」を持ち、残薬を含めお薬のことは何でも気軽に薬剤師に相談して下さい。 |
無断転用?ではなく、一応自分が執筆したものなので大丈夫かと。
これを参考に自身だけでなく、家族などでも残薬について考えていただけると幸いです。
(大輪 武司)
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