2016年6月14日火曜日

現代砲

入梅を迎え、ジメジメムシムシした気候となってきました。

そうは言っても、総量としての雨量はいまのところ少なく、関東地方では渇水も懸念される様相です。

近所の畑仕事をしている方からも
「水くれ(=水やり 信州方言です)も大変で、元気なのは雑草だけ」
と恨めしそうに湿布を買いに来られていました。



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さて、昨今恨めしそうな顔をしている中には、
週刊誌にスッパ抜かれた方々もいらっしゃるかもしれません。

芸能、政治等で、最近はやたらに元気が良い週刊誌ですが、
先日我が身に降りかかる内容の記事が掲載され、各地の医療機関に影響を与えていました。


こんな内容で2週にわたり、シリーズが掲載されていました。


かなりセンセーショナルな見出しで、
他の新聞などへの広告でもかなり目立っていたように思えます。

この記事には、実際の商品名である医療用医薬品の名前が多く記載されていました。
アリセプト、オルメテック、プラビックス、クレストール、アボルブetc...
メジャーな薬が並び、定期通院している方なら一つや二つ服用していてもおかしくない物ばかりです。

週刊誌による医療系の記事は、少なからず定期的にあるのですが、
この薬を常用している人からすれば、これほど不安になる事もないでしょう。

①俺の(私の)飲んでいる薬が週刊誌に載っている、大丈夫なのか?

②週刊誌を買ってしまう

③売上部数が伸びる

④週刊誌サイドの思うツボ

この流れがあるので、定期的に週刊誌側もこのような記事を掲載するのだと思います。


結果薬局への問い合わせも多くなり、しぶしぶ中身を見てみますと・・・

医療経済学的観点や主観的から始まり、見出しより比較的マイルドな内容でした。
しかしながら、副作用や検査結果への影響などの内容は、医療関係者なら当然知っていて気を付けている常識的事案であり、特に目新しいものではないと言えます。
(例:アボルブがPSAをマスキングする)




このことから、売上に寄与するのは記事の中身ではなく、センセーショナルな見出しが勝負!というデマゴーグ的発想が良くわかります。




だたし、内容はともあれ医療機関への影響は大きく、
問い合わせ増加により、日々の業務を圧迫する場合もあります。

さらに言えば、問い合わせしてくれるならまだマシで、
自主的に服薬を休止してしまう方もいるかもしれません。

・プラビックスを自己判断で休止⇒脳梗塞再発
・オルメテックやクレストールを自己判断で休止⇒心血管イベント発生
・アリセプトを自己(家族)判断で休止⇒認知症の急性進行

こういった事が起きても、週刊誌が責任を取ってくれるわけではありません。
しっかりと主治医や薬剤師等に相談し、不安を取り除いて頂きたいものです。



ちなみに週刊誌に商品名が載ってしまった某MRさんに、この件について話を伺ってみたところ、
製薬企業は今までこういった記事に対して裁判を起こしていなかった経緯があり、
そのせいでなめられているのではないか。との事でした。

また、この週刊誌の記事を執筆した某医師が所属する大学病院も、
記事の内容は医師個人の見解であり、大学側の見解ではないとしているそうです。



週刊誌だけではなく、ネットなどで情報が氾濫するご時世ですが、
正論は古臭く、極論は目新しく映るかもしれません。

そして医療そのものへの社会からの不信感が、
このような情報を増長させている可能性もあると思います。



そのような中で安心して薬を服用して頂くようするのが、
薬剤師の務めの一つです。

不安や疑問に応える日々の業務を今一度見直し、大切にしていく必要がありそうです。
(大輪 武司)











2016年6月2日木曜日

山ライダーは海を目指す

早いもので、気が付けば今年も残すところ半分となりました。
以前も書きましたが、体感時間加速説(ジャネーの法則と言うそうです)が身に染みます。


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さて、そのような刹那を満喫すべく、
先日久々の長距離ツーリングに行ってまいりました。


周囲を山に囲まれた土地ならではの、「海鮮物への渇き」を癒すため向かうは伊豆半島!
自分の通った軌跡を地図に書き込んでいて、空白だった南伊豆方面を目指します。

往路ルートはこんなです→


寒暖差が激しい時期を考慮し、北海道以来久々にスリーシーズンジャケットを装備します。
前日に満タンにしたバイクに跨り、
ご近所に迷惑をかけないようにそそくさと7時に出発します。


松本ICより長野道を南下し、中央道に。
双葉SAで休憩がてらにアウターを調節してメッシュモードに。
少々寒いながらも、甲府南ICで高速を降り、R358経由R139で精進湖⇒本栖湖を富士山を見ながら駆け抜けます。

そのままR139で富士山の西側である朝霧高原を、
堆肥の臭いに何度か悶絶しながら抜けます。


富士宮まで南下し、緑が少なくなってきた所で本日二度目の休憩に。
松本にはないミニストップの駐車場で、ハロハロと迷いつつもコーヒーで一服。


そのまま南下して新東名の新富士ICに乗り、
富士山の南裾に沿って長泉沼津JCTを経て、伊豆自動車縦貫道へ。
本来なら伊豆スカイラインで南下したい所でしたが、タンデマーの機嫌を考慮してワインディングを避けた結果となりました。


途中道の駅「伊豆のへそ」で休憩。
併設の施設から、伊豆の踊子がフラダンサーだったという衝撃の新解釈を目の当たりにします。
 

気を取り直してR414を南下し、道の駅「天城越え」で昼食に。
名物のワサビ丼を頂くも、考えたら安曇野でも食べた事ある郷里の味でした・・・

峠を下り川沿いを南下すると、すぐに下田につきました。
下田港直近の道の駅「しもだ」でやっとこさ海と対面します。
 
ペリーが乗ってきた黒船、サスケハナ号も、
今は湾内の観光船として第二の人生を歩んでいるようです(嘘)
 
 
下田からバイクで15分くらい南に下ったところにある、龍宮窟に寄り道。
地上から。海から穴が開いて、波の浸食によって作られた空間だそうです。
 
上から。ちょうどハートの形に見えます。
 
涼しくて波の音が反響し、まさに癒しの空間でした。
「紅の豚」での、ポルコの隠れ家にそっくりだと思いました。
cf)ポルコの隠れ家
 
 
ここにテントで泊まりたいところですが、そういうわけにはいかず、
今夜は弓ヶ浜近くの民宿で疲れを癒します。
 
ハイシーズン前の静かな海辺を散策したり、塩化物泉と思われるしょっぱめの温泉につかったり、
海の幸(金目鯛の煮つけ含む)をこれでもかと頂いたりして、波の音を聞きながら床に就きました。
 
 
 
【暗転】
 
 
 
 
 
2日目は宿を後にして、県道16号線で海岸線を西に。
すぐ近くの石廊崎に立ち寄ります。
 
歩いて30分の灯台、石室神社を目指します。
断崖まで辿り着くと台風並みの強風が・・・
体感としては時速120kmくらいでしょうか。体がもっていかれそうになりながら写真を撮ります。
ここまで来て、風の為断念する人も何人かいました。くわばらくわばら・・・。
 
 
来た道を戻り、今度は遊覧船に乗ってみます。
1周30分ほどですが、湾内から外洋に出ると、そこは潮の交わる白波立つ荒れた海。
まるでジェットコースターのように上下するたびに、船内から歓声や悲鳴が飛び交っていました。
 

しかしながら、絶好の釣りスポットらしく、
多くの太公望がこの環境で釣り糸を垂らしているのに驚きます。


遊覧船に気さくに手を振る人たちを見ながら、趣味と言うのは恐ろしいものだと思うのでした・・・。


そういえば、空を滑空するトビウオを生で見る事もできました。旬なのでしょうか?
中々格好良かったです。



かなりの時間を石廊崎にいましたので、気を改めて再出発。
さらに西へと走ります。
途中、ヒリゾ浜近辺で撮影

 途中波勝崎苑に立ち寄り、海をバックにお猿と戯れます。
なんとなく地獄谷のスノーモンキーを思い出します。ここのお猿は海水浴しないみたいです。
 
一番餌をもらいやすい位置にいるボス猿に、襲われないようにそっと餌をあげてみました。
強面でしたが、むこうもそっと餌を受け取ってくれました。ボスとの交流。
 
 
 
気を取り直して再び出発!今度は半島に沿って北上を開始します。
走り出すとすぐに、以前来たことのある松崎町に入ります。ここでマイ地図がつながりました。
 
西伊豆町からR136を外れて県道59号のいわゆる「西伊豆スカイライン」に入ります。
 
スカイラインに上がるまでの峠道で、タンデマーからのクレームが激しさを増してきますが、
上がってみると曇り気味で景色はイマイチ。気温も低く早々に走り抜けます。
 
 
その後修善寺方面に出て、遅いお昼を食べに沼津漁港にむかいます。
ピークの時間は過ぎているもののまだなお人混み多く、活気を感じます。
 
回転寿司で地物をちょこちょこ頂き、エネルギー補給。
一気に帰路につきます。
 
 

 
海沿いを田子の浦等駆け抜け、新東名新富士ICから新清水ICへ。
降りたすぐ先のR52沿いのコンビニで一服した後、北上を開始します。
 
周囲には2017年開通予定の中部横断道の工事が、あちらこちらで行われていました。
しかしながらR52も流れの速い一般道なので、日暮れの道を快適に進みます。
 
高速に乗る手前でタンデマーのお尻が限界をむかえたため、小休憩します。
気が付けばあたりはほぼ真っ暗。
 
 増穂ICから双葉JCTで中央道に入り、そのまま松本まで・・・
行く予定でしたが、ガス欠寸前で急遽諏訪ICを降り、給油後ピストンで再び松本まで向かいます。
 
 
 
なんだかんだで予定の時間をはるかにオーバーしてしまいましたが、
20時には無事自宅へ戻ってくる事が出来ました。
 
久々の長距離で心地よい疲れを感じつつ、軽くメンテをして旅の締めくくりとするのでした。
(大輪 武司)