2019年3月14日木曜日

大連休

年度の終わりにさしかかり、今週末あたりから各地で卒業式や送別会などのイベントが目白押しなっていることかと思われます。
例によって松本地域の花粉飛散量も、『非常に多い』レベルの真っ只中でありますので、イベントでの外出時も注意しましょう。



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さて、“平成最後の”と言うフレーズを目にする機会が多くなっていませんか?
事実すぐそこまで平成最後の時がやってきているのですが、
薬局としては連休について色々と頭の痛い問題があります。

ちなみにダイリン薬局は5/1が当番薬局となっておりまして、それ以外はカレンダー通りお休みとなります。
また、大輪薬局につきましては暦通りお休みとなります。

地域輪番制で当番となる薬局が連休中もどこかは開いておりますので、
松本薬剤師会ホームページをご覧になると、該当薬局を知ることが出来ます。

しかしながら、医薬品卸会社も祝日につき当番対応ですので、当番薬局でも在庫のない医薬品の手配には時間を要します。
いつもの薬局ではなく飛び込みの薬局では、
当日中に薬が手に入るのが難しいこともありますのでご了承下さい。

また、GW中は処方せん発行元医療機関との連絡が取れない事が想定できます。
問い合わせがスムーズに行われない場合、これまた薬が手に入るのが遅れるケースがあります。


そのような事を踏まえ最悪のケースをストーリ調で考えてみました。
《長文注意》





Aさんは都内で働くまじめな会社員。
滅多にない長期休暇に「元気なうちに親孝行を」と思い、両親を連れて家族三世代で初めての長期旅行に行くことに決めました。
みんなのスケジュールを調整し、行きたいところややりたいことをワクワクしながら考え、手続きや予約を済ませました。
そして楽しみにしていた旅行当日、家族みんなでワイワイやっていると、新幹線の中でAさんのお父さんがこう言いました。



「金曜日に病院行ったんだけど、旅行の準備でバタバタしていて薬をもらうのを忘れてしまった。処方せんは全国有効だって言うし、薬局はコンビニの数より多いんだから、現地でもらえばよいと思って処方せんを持ってきた。」

Aさん達がむかうのは温泉が有名な某県の観光名所。
道中様々な観光地を経由し、写真もいっぱい撮って思い出も残し、心地よい疲労感の中当日の温泉旅館に到着しました。

一息ついたあと、思い出して宿の人に近くの薬局を聞いてみたところ、最寄の薬局は車で15分かかるとのこと。
仕方がないので宿でタクシーを手配し、そのAさんとお父さん二人でで薬局まで行って見ると、祝日につき閉局の文字が。
あわてて薬局掲示の緊急連絡先に電話をかけると、しばらくしてから折り返しの電話があり、当日の当番薬局を紹介してもらいました。そこでタクシーでさらに20分離れた当番薬局へむかいます。



薬局へ到着すると、待合室は座れないくらいの混雑ぶり。
受付で処方せんを渡すと、しばらくして白衣を着た薬剤師が現れこう言いました。
「Aさんのお父さんに出ているお薬の在庫がありません、在庫のある同じようなタイプの薬に変えてもらうよう医師に連絡してみてもよろしいでしょうか?」
このまま手ぶらで帰るわけにもいかないので、うなずく二人。それを確認した薬剤師が足早に調剤室に戻り、しばらくした後また戻ってきてこう言いました。
「Aさんのお父さんが処方せんを出してもらった医療機関がお休みで連絡が取れません。GW中は連絡が取れそうにないので、処方せんに記載のある薬を取り寄せします。お時間がかかりますがよろしいでしょうか?」
どのくらいかかるの?と尋ねると、明日の昼以降になってしまうとの回答。


当然明日も観光の予定が入っています。新幹線の切符も、現地での陶芸体験も明日の宿も全て予約済みです。子供たちも楽しみにしています。

そのことを薬剤師に伝え、明日または来られないので、行った先で再度薬局を探してみる。
と伝え、処方せんを返してもらい宿に帰る事にしました。

来た道をタクシーで戻ると、往復の総額は1万円をこえていました。
夕食の時間もとうに過ぎ、冷たくなった旅館の食事を父と二人でイソイソと食べると、父がポツリとつぶやきます「明日で薬が切れるけど、大丈夫かな?」
Aさんは黙り込み、明日のことを考え大きくため息をつくのでした。


~完~


↑のような状況は当然次の日もループし、
まるでジプシーのように各地の薬局を転々とすることになりかねません。
結果的に楽しみにしていた旅行の半分くらいは、
薬をもらうことに時間と労力をかけることになるでしょう。


極端な例かもしれませんが、GWの連休中はかような事態が生じる可能性があります。
定期の薬であれば出来るだけ余裕を持って、GWにかからないよう受診や投与日数を調節して頂くのがベストかもしれません。

以上を踏まえ、新元号しょっぱなから悪い思い出を作らないためにも、
皆様のご協力・ご配慮も宜しくお願いいたします。
(大輪 武司)