2021年8月9日月曜日

現場の声

すったもんだありましたが、オリンピックの熱狂も過ぎ去りました。
残されたトピックはコロナ感染となり、テレビの報道もそちらに踵を返すことでしょう。


さて、医療業界でのトピックと言えば、
コロナ感染症、コロナワクチンの他にもう一つ「医薬品供給の不安定化」
が挙げられるかと思われます。

かつて東日本大震災などの災害時には様々な医薬品の供給が危ぶまれましたが、
ここまで広範に影響が出ているのは、私には初めての経験です。
卸業者に頼めばすぐ納品されていた
今までの状況に戻るのは一体いつになるんでしょう?
それまでは綱渡りの対物業務が続きます。

一薬局として自衛のためできる事としては
在庫数量を増やしたり、実績を作るため他メーカーの医薬品も揃えておく、
と言った対応くらいです。
しかしながら、上記の対応は広域で更なる医薬品供給の不安定化に拍車をかける行為でもあり、回りまわって自らの首を絞める事になります。



発端は「小林化工」や「日医工」によるものかもしれませんが、
以前から出荷調整ドミノ(*ドミノ倒し的に出荷調整が連鎖する事:大輪造語)
は問題視されており、今回は先発品企業も含め対象医薬品も膨大です。

今の所行政対応は製薬業者への罰則規定強化のみですが、
新規収載医薬品のみが対象であり、根本的な解決へ向かう気がしません。
次回調剤報酬改定も既定路線のまま進みそうな雰囲気で、
負担増しかない現場のモチベーションは下がる一方です。

先発メーカーも後発メーカーも新規収載医薬品販売しばらく延期して、
既存医薬品の安定供給に注力でもしてくれないかなー、
と思う今日この頃です。
(大輪 武司)