2024年3月5日火曜日

Hay fever

しんしんと降る雪が、山や家の屋根、車を白く白く染めていく姿を見ながら執筆をしています。
今はまだ、週末洗車をしたことを後悔はしていません。

一昔前に流行したマーフィーの法則になぞらえ
・薬を返品するとその薬が処方に出る。
・2人にしか出ない薬は、同日に2人来局する。
・レセコンを落とすと患者が来る。
といった薬局での細則に思いを馳せるのでした。


さて、毎年のことではありますが、当地区でもスギ花粉の飛散時期に突入しました。
私の古い記憶をさかのぼると、
以前は都内でバレンタインデー~ホワイトデー。
松本ではその2~3週間遅れで飛散しているイメージでした。
しかしながら今シーズン都内では2/9、松本では2/16に飛散開始となり、
開始日自体の前倒しに加えて、都内との間隔の狭まりが顕著でした。

松本地域における飛散開始日直前の寒暖差などの一時的な要素もありますが、
地球規模での温暖化が進んでいます。
今後飛散開始日は徐々に早くなるのは避けられそうにないでしょう。





一般的に花粉症などに用いられる内服薬(抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬)や鼻噴霧のステロイド剤などは、スギ花粉飛散開始前より初期療法を開始することにより、シーズン中の症状が緩和されることが判明しています。
よって今後松本地域でも初期治療を開始するのは2月中の早い段階からとなり、前倒しで1月中には受診、薬を準備しておく必要がありそうです。




今シーズン松本地域のスギ花粉ピークは3月中旬とされています。
気象情報などを参考に、洗濯物の部屋干し・マスクの着用・上着をナイロン素材にする等の対策によりスギ花粉との接触を避けるように心がけましょう。


(大輪 武司)

2024年2月6日火曜日

非日常

『冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。』

雪かきの苦労や交通・物流の乱れなど処々難儀しますが、

朝起きて雪景色を見た時のハッと息をのむような第一印象は、

1000年以上前の人が感じるそれと変わりないように思います。いとエモし。


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さて、能登での地震も発災から1ヶ月が経ち、災害中期の段階に入りました。

被災地での従事を終え、戻ってきた薬剤師の多岐にわたる活動内容もちらほら耳にしています。

臨時救護所での医療従事や現地医療機関の支援、医療集積所での供給支援、

小規模避難所への巡回、感染防止などの公衆衛生業務は従来通り。

それに加え船上避難者への対応やMP(モバイルファーマシー)での医療従事といった、

新しい活動内容も伺っています。

今後は避難生活が長引くことによるメンタルへのサポートや、現地医療の再建などにも活動内容がシフトしていく事が過去の事例より予想されます。

傷ついた被災地が復興するまでは長期的な支援が必要となります。

過去の災害の反省・教訓を活かして先手先手で対応を打っていく事が求められると感じています。



(大輪 武司)




2024年1月9日火曜日

【薬剤師】医療ボランティア従事で役に立ったもの&役に立たなかった物

 いわゆる年頭の挨拶ですが、本年に関しては

「あけましたが、おめでたくはないです」

といった心境です。これは日本全国皆で感じていることではないでしょうか。


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執筆現在1/9ですが、令和6年能登半島地震における各地の被害が徐々に判明してきました。

また、本日地域薬剤師会を通して、被災地への薬剤師派遣募集も開始されました。

時期的には亜急性期からの従事となる事が予想されます。

活動内容は場所、時期でも大きく変わりますし、何をするかどこに行くかもわからない状況で自己完結できる装備をしろ、と言われても正直判断に困ることと思われます。

今思うと、かつて東日本大震災で派遣募集された時も全く同じ状況でした。





そこで、少しでも参考になればと思いまして、

私が活動した経験上持参した装備の中から役に立ったものを挙げてみます(順不同)

懐中電灯・ランタン等照明器具:電気が復旧していない場所では日中であっても室内は薄暗いことが多いです。冬は5時に暗くなります。

赤ちゃんのおしりふき、水不要シャンプー:お風呂替わりです。自衛隊風呂は被災者優先ですので。

耳栓、イヤホン等:慣れない土地と業務での緊張や雑魚寝から中々寝付けないと思います。

上履き、サンダル:避難所内で靴下のみは寒いです。

マスク複数:被災地は土ボコリがすごいです。感染予防にも。

ハンドクリーム:断水地域では手指消毒回数が増えるので、手が荒れます。

モバイルバッテリー:電波がないと意味ないかもですが、比較的早期に簡易基地局により電波が復旧されますし、持って行った方がよいかと思います。

使い捨てカイロ:体育館で寝ると芯まで冷えます。

ノートパソコン:(余裕があれば)在庫管理等でエクセルを使えば、他チームへ情報共有しやすいです。意外に出番があるかも。

以上が思いつきます。

消耗品などは多めに持参して、使いきれなかった分は次来た人に挙げればよいかと思います。


逆に持って行っても使わなかった物(順不同)

食料品や水:ボランティアへも避難所での配給がありました。また、恐らくレンタカーで現地入りする事になるので、最悪従事する場所が決まり次第道中で揃える事も可能かと思われます。

書籍:電波があればスマホでOK。重いです。

寝具(寝袋、マット等):一式地域薬剤師会よりお借りできました。これは状況により異なるかもしれません。

ヘルメット:余震は多かったですが、着けている余裕はないです。かさばる。


最後に、繰り返しになりますが活動内容は場所、時期でも大きく変わります。

地域特性上雪や寒さへの備えが必要かもしれません。何が必要で何がいらないのか、現地の情報をしっかりと収集することは必然となります。

また、災害時における特別な知識や技術を必要とすることはありませんでした。普段の業務がそのまま被災地で役に立った感があります。

以上を踏まえ、当記事がこれからボランティア従事を検討する方の少しでも後押しになれば幸いです。

(大輪 武司)





2023年12月6日水曜日

師は走る

インフルエンザが猛威を振るっております。
県下では12月に入る前から患者数が急増し、
現在警報レベルの2倍にまで近づこうとしています。
近隣では学校閉鎖が実施され、小児を中心に医療機関がパンクしているような状況です。
加えて相変わらず医薬品の供給も滞っており、
昨年のコロナ流行より状況が悪化しているような感があります。




年末年始で人と会うイベントもこれからですので、
このまま高い流行状況が広範な地域で継続していくこととが予想されます。
流行の拡大を食い止めるためにも、
手洗い・マスクの基本的感染防御に加え、
体調不良時は外出を控えるといった勇気ある決断をお願いいたします。




さて、早いもので今年も師走となりました。
年末年始の営業ですが以下の通りとなります。

12/28:9:00~18:30
12/29:お休み
12/30:9:00~17:00(当番薬局、化粧品はお休み)
12/31:お休み
1/1 :お休み
1/2 :お休み
1/3 :お休み
1/4 :9:00~18:30

繰り返しになりますが、現在医薬品の供給がかなり厳しくなっております。
不足している品目は日々目まぐるしく変化していますが、
当薬局においては現在小児領域の医薬品がほぼ全滅しており、抗生剤、鎮咳薬、去痰薬等は冗談抜きに一人分もご用意できない状況が続いております。
折角ご来局頂いてもご希望の薬をご用意できなかったり、
別の在庫のある薬への処方変更を依頼するにあたり、お時間を頂戴する場合があります。
患者差に置かれましては体調不良の折誠に申し訳ございませんが、
状況をご理解頂きますようお願い申し上げます。






・・・来年以降状況が好転すればよいですが、正直期待はしていません。
医薬品のないニューノーマルに薬剤師も国民も慣れなければならないのかもしれません。
皆さんも体調を崩さぬよう十分に注意し、よいお年をお迎えください。
(大輪 武司)













2023年11月25日土曜日

力の使い道

雪の便りも日に日に標高を下げ、山は三段紅葉で晩秋真っ盛りといった今日この頃です。
しかしながら気温の上下が激しく、スタッドレスの車に窓を開けて乗るような日もあります。
体調を崩される方も多く、インフルエンザに関して長野県は警報級で流行していますので、基本的な感染予防等にご注意ください。



さて来年度の医療・介護・障害のトリプル改定の時期を迎え、
様々な情報が飛び交っています。
今のところ既定路線でマイナス改定~現状維持のまま進みそうな気配が漂っており、
物価高に伴うコスト高や、賃金上昇、医薬品供給崩壊への薬価対応などの諸問題は先送りまたは限定的なものになりそうです。





我々のように保険医療に携わる者にとって、
この時期ほど「政治の力」を実感する事はないと思います。
しかしながら「政治の力」も一朝一夕に出来上がるものではありません。
一般的に選挙で議員を輩出し我々の声を政治の場に届けなければ、
業界における課題や問題点は政治の場で認知されません。
(医薬品供給問題のようにマスコミから一般世間を通す政治力もありますが・・・)



保険薬局業界でも若手勤務薬剤師ほど政治に関心が薄く、
「どうせ給料変わらないから、面倒なことはしたくない」
というのが本音かと思われます。
そういった人たちの意識を変容し、票の数に繋げるため、
選挙に行くことで自身にどういった影響やメリットが生ずるのか。



今が一番わかりやすい時期なのかもしれません。
(大輪 武司)












2023年10月17日火曜日

Once again

 気温の急降下であっという間に紅葉や初雪の知らせが届いている今日この頃です。

2週間くらい前まで冷房を入れていたのが今は暖房になっており、

患者さんとの会話でも「四季ならぬニ季になった」と度々話題に挙がります。


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さて、気温の低下と共に本格的な感染症のシーズンに突入します。

当薬局でも遅まきながらコンボキット(コロナ+インフルエンザの抗原検査キット)が入荷いたしました。

【シーズン突入に伴う品薄につき、欠品する可能性がありますのでご了承ください】



今期は例年と異なりインフルエンザが終息せず再流行の兆しが見られるほか、

場所によっては猛暑の影響でいまだにアデノウイルス感染症(プール熱等)が流行しています。

そしてコロナ感染症は減少傾向にあるものの、まだまだ気が抜けません。


また、別の問題として医薬品の供給不足も未だに解決の糸口が見えません。

特に小児の薬は相も変わらず鎮咳、去痰、解熱、抗生物質とほぼ手に入りにくい状況が続いています。

薬局においても大人用の錠剤を潰したり、近隣薬局での在庫を調べたりと手を尽くしておりますが、どうにもならない事があるのも事実です。


以上を踏まえ、感染症にかからない為の予防が重要となります。

感染症の基本対策に加え、ワクチン接種も有用です。

また、アデノウイルスやノロウイルスではアルコールが利きにくいためこまめな手指洗浄が推奨されます。

加えて免疫システムに負担を与える過度なストレスや、暴飲暴食、

不規則な習慣を回避することも重要となります。


「予防に勝る治療なし」



(大輪 武司)






2023年9月21日木曜日

5年後

 朝晩の涼しさにやっと夏の終わりを感じ取れる今日この頃です。

しかしながら今冬の予報では暖冬傾向との事で、今年のような少雨と重なれば来年の水不足も必至となります。せめてお山に雪がいっぱい降ってくれればよいのですが・・・


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さて、話は全く変わりますが2028年に長野県で国体が開催されます。


かなり先の話ではありますが、長野県では1978年の「やまびこ国体」以来となり、実に50年ぶりの開催となります。当時の詳細はわかりませんが、松本に残る「やまびこ道路」など国体で様々なインフラが整備されてレガシーとなっています。

今大会では会場が県内各地に分散しているので、幅広いエリアでアスリートを迎える事となり、携わる方も多岐に及ぶことが予想できます。

こういった大会で薬剤師が専門的に携わるのが「ドーピング問題」です。

大会関係者として専門的に取り組む「スポーツファーマシスト」も活躍されることと思われますが、一般の薬局においても「うっかりドーピング」防止を含め、アスリートの相談に応需する事が出来ます。

ドーピングと言うと、大国が関与して組織的にアスリートを強化したり、命にかかわるような危険な薬物で限界を変える・・・

と言うイメージがあるかもしれませんが、それだけでなく風邪や花粉症など日常使われる市販薬にも禁止薬物が存在します。

また、持病のある方への特例措置などもあるので、ドーピングに関する疑問があればまずは薬局にご相談ください。



国体に向け血のにじむような鍛錬を重ねて成果を発揮したところ、直前に服用した風邪薬のおかげで全て台無しに・・・


とならないように専門家である薬剤師を頼っていただけたら、と思います。

(大輪 武司)