2020年4月30日木曜日

時代の流れ

新型コロナウイルス流行から社会の状況を含め、
薬局での対応も目まぐるしく変化しています。

今更ではありますが、中国での流行に端を発し、
薬局の現場としてはマスクが納品されなくなってからはや3か月がたちます。
現在では消毒液や体温計、ディスポーサブルの手袋にガーゼ等衛生薬品の欠品が続いています。

また、当薬局でもビニールカーテンで簡易的なシールドを設置し、
待合室で15分以上かかる人への声掛けや、こまめな換気を実施して感染予防に努めています。



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そんな中、今社会的に注目を集めているのが「オンライン診療」です。
非接触なので感染のリスクもなく、お手軽であるとの印象でマスコミでも好意的にとらえられている印象があります。

当初の発令では慢性疾患のみ特例的に認めるという内容だったと思いますが、
現在では初診に関してもOKと範囲が拡大されています(時限的な特例ですが)


この「オンライン診療」に関し薬局での対応を考察してみると…


まず、薬局に直接来局される方は、今までとほぼ対応については変わりませんので、
基本的に問題はありません。

しかしながら患者さんが来局されないケースについては、
電話による服薬指導、電話等による受領の確認、電話による経過の確認が必須条件として求められる為、薬局での業務量は増大します。

また、テレビ電話システムや決済システムの導入など薬局でのインフラ整備の拡充も必要となると思われます。

さらに、料金徴収に関しても悩ましい問題となります。
代引き、クレジット払い、銀行振り込み、電子マネー決済等ありますが、
導入の簡便さ及び入金の確認と確実性を考えると、代引きか電子マネーでしょうか・・・

オンラインとの親和性が高いマイナンバーカードでの一元管理が標準化され、普及されるようであれば、少しは情報面でも決済面でも状況は変わるかもしれませんが、それも実用にはまだまだ先の話になりそうです。





以上を考慮すると、資本もマンパワーもある大手調剤チェーンのように、自社で受付・服薬指導・決済・フォローまでのシステム構築が可能なところは好機と捉え旺盛に取り組むかと思われます。
さらに、要件緩和によってはオンライン専門で自店舗を持たないネット調剤薬局の誕生も時間の問題かと思います。

しかしながら、ウチのような既存の小さな町薬局で十分な対応をするにはハードルが高いな、という印象です。

ただ、オンライン診療ののち、薬局に直接来局されるという方や近所で配達希望の方については、私見ですが活路があると思われます。
地元との関係性や地域密着・連携はむしろ中小薬局の方がアドバンテージがあるかもしれません。自店舗の商圏にいる方への積極的なアピールが今後求められると思われます。


時代により医療ニーズも刻々と変化していきます。
今回のオンライン診療については対面の重要性などで反対もあるそうですが、
6~7年前の市販薬ネット解禁騒動がそのままでリフレインされます。

オンライン化の波は止まることなく進むと思わるので、
市販薬ネット解禁当時の状況や、現在の問題点などを活かした制度設計をして頂きたいと思います。

(大輪 武司)