2013年7月29日月曜日

寄生虫博士現る

先日都内にて行われた研修会で、講師として藤田紘一郎先生が登壇されました。
藤田先生と言えば、自ら寄生虫を腸内に飼っていたエピソード名前も付けて可愛がっていたそうですが有名ですが、
最近は腸についての著書を何冊か執筆されています。


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実は自分が学生の頃、部活の顧問だった生薬学教室のN先生から、
藤田先生の『笑うカイチュウ』を貸して頂き当時花粉についてアレコレ調べていたので・・・
学者ってのは変な人がいるもんだなぁと思いながらも、楽しく読み進めた記憶があります。

講演では藤田先生が寄生虫に興味を持つきっかけとなった、
熱帯での嘱託医時代のお話や、最近の腸の研究について、
先生の軽妙なトークで笑いながら笑うとNK細胞が活性化するそうです伺うことができました。


前・後編の二部構成のため、残りは9月になりますが待ち遠しい限りです。

ちなみに先生からサインも頂きました。
撮っているのが自分なので、写っているのは別の方です。あしからず
汚い物や、一見いらないと思われていた物が実は重要で、
色んな物と共生して人体はバランスをとっている。
という内容は人体に限らず当てはまりそうですね。
(大輪 武司)

2013年7月26日金曜日

ラジウムパワー

先日、半日のお休みを活用して、久々に早朝からバイクでお出かけしてきました。
まずは定番のビーナスラインを駆け上がります。
早朝は気温が低く、日中を想定した装備だと結構な寒さです。

しかしながらラッキーなことに雲海に恵まれました。
浅間山方面からの日差しが雲海を照らし、金色の雲海を作り上げていました写真撮るの忘れましたが・・・


霧ケ峰の売店はまだ開店前なので、
缶コーヒー(HOT)で一息ついた後、八ヶ岳を一気に縦断します。
麦草峠は何回か走ったことがありますが、樹林帯のタイトコーナーの連続にはいつも緊張します。
まぁ崖上のタイトコーナーよりはましかもしれません・・・
日本で二番目に高いところを通る国道。ちなみに一番高いところは志賀草津道路にあります。


なにはともあれ峠を抜け、松原湖方面からR142に出て、すぐに県道65に入ります。
南相木村の素朴な集落を抜けトトロが出てきそう、初めての川上村へ。

大規模なレタス畑が連なる様相は、北海道や嬬恋村に似ています。
対向車も農耕車両だらけで、出荷最盛期といった雰囲気でした。
千曲川源流探索や川上犬へのあいさつは次回にまわし、そのまま村を抜けます。

瑞牆山(みずがきやま)の独特な姿を見ながら信州峠へ。
またまた樹林帯の峠を抜けると、道は清流に沿って進みます。
足をチャプチャプさせて水遊びするには絶好のロケーションでしょう。
日本百名山の一つ、瑞牆山


樹林帯を抜けると、そこが目的地の増富温泉です。 
「信玄の隠し湯」というフレーズは正直ありきたりすぎるのですが、
ここは何と言っても世界有数のラジウム温泉なのが一番の特徴です以前から狙っていました

さっそく日帰りの湯である増富の湯でゆっくりお風呂で体力回復です。
施設は広く、食事も休憩もできます

鉱泉のようですが、NaとFeがたっぷり入った濃厚な源泉を、25、30、35、37℃と細かく分けられたお風呂で楽しめます(25℃はさすがに寒かった・・・)
ゆっくりとお風呂を楽しみ、ラジウムパワーで帰りは須玉ICより高速を使い早々に帰宅しました。

後で知りましたが、どうやら帰り道に雄大なひまわり畑もあるようですし、


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今度はゆっくり川遊びでもしながら訪れようと思います。
(大輪 武司) 

2013年7月23日火曜日

QQ救命講習会

先日夜間急病センターにて恒例となる救急救命講習会が行われました。
年に1回のペースで行われてブラッシュアップを行っているようですが、
自分にとっては初めての講習会でした。

とは言うものの、内容は皆さんも受けたことのある自動車運転教習所で習う内容に近いです。
2010年にガイドラインが変わったようで若干変化はしていますが、基本は同じです。
自分も3~4年ほど前にAED講習会を受講していますので、おさらいをするような感じもありました。


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講師の丸の内消防署の方がおっしゃるには
「救急車の到着まで全国平均で8分かかります、その8分間に行った対応で患者の生死が大きく分かれます。救急隊員がいくら頑張っても、最終的に救急救命での存命率を上げるのは皆さん方にかかっています。」
・・・なるほど、おっしゃる通りです。

幸いな事に今のところそういった救急救命を要する場面に出くわしたことはありませんが救急車には二回乗りましたが・・・万が一に備えて知識なり技術を習得し、反復して訓練する事で誰かの命を救えるかもしれません。

というわけで訓練実施です。


皆さんご存知の胸部圧迫による心臓マッサージ。
人工呼吸よりこちらが優先になります。
血液中にまだ残る酸素を脳に送るのが目的です。
小児の場合は片手で胸部圧迫を行います。
基本的な対応は成人と変わりません。
下が柔らかいベッドなどでは力が分散されてしまうので、
フローリングや畳で行うのが効果的です。


乳幼児(1歳未満)では中指と薬指の二本で圧迫します。
頭部と体の比率上、気道確保に留意する必要があります。
ちなみに小児・乳幼児への対応は初めて学びました。
 
講師の方の後に自分も3セット(1セットは胸部圧迫30回の後に人工呼吸2回)
行いましたが、汗ダラダラです。
とても一人で8分間持ちこたえるのは難しいでしょう(8分は20~24セットくらい?)
 
と言ったわけで実際の現場において、手技を行える人は多いにこしたことはありません。
救急救命講習会は各地で行われていますし、
人数が集まれば講師の方が出張してくれるそうです。
 
「いざという時に備える」必要性は東日本大震災で皆さんが感じた事だと思います。
後悔するような事のないように、出来る事はしておきたいものです。
(大輪 武司)


2013年7月18日木曜日

ルシフェリン

先日の夜、松本のナワテ通り酔い良い調子で歩いていました。
夜のナワテ通りは昼の喧騒と趣を変え、
白熱電球の光が温かいうってつけの散歩道になります。


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四柱神社を越えて2~3分もたたずして通りを出ると、
そのまま女鳥羽川沿いに向け東に向かいます。

日中は暑くても、さすがは信州。夜は涼しくて快適です。
そこにボワっと光るものが飛んで来ました。


ホタルです!ちょっと感動。



 











まさかこんなところでホタルに出会うとは思いませんでした。
一匹だけでしたが、すれ違った後にぼんやりと光ったり消えたりしながら去っていきました。

そういえば松本の中央図書館のあるあたりの用水路(?)
でもホタルが見られるなんて噂を聞いたこともあります。
時期的にも各地でホタル祭りも行われているようです。


昔は中学の頃の登下校でも当たり前のようにホタルを見ていましたが、
今はその場所でホタルを見るのは難しいでしょう。
時代の変遷を感じます。



そんな事を考えながら、伊織霊水で酔い覚ましの水を一杯頂き、
帰路につくのでした。

(大輪 武司)




http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AA%E3%83%B3

2013年7月16日火曜日

2代目就任

先日、松本市夜間急病センターに新しい分包機がやって来ました!


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場所柄短期処方の小児散剤がメインなので、大きいのは必要ありません。
初代と同じユヤマ製21包撒きの、いわゆる『Vコン』ってやつですそう言います・・・よね?



 
途中でマスが上に折りたたまれる省スペースギミックがカッコイイ!
分包紙も交換しやすい親切設計がステキです。
新しいのは当然ながらキレイですし、コンパクトで、日々のメンテナンスもしやすいです。
音も静かで早いので、技術の進歩は年月に比例することを実感します。


ついでに夜間急病センターの内部もコッソリ撮影許可は取ってありますよ。念為。



診察室。医師会から派遣された医師が交代で診察しています。
PCは情報収集用で、電子カルテなどではありません。
たまに坐薬や浣腸で泣く子の悲鳴がこの中から聞こえてきます。


処置室。点滴や吸入などを行います。看護師さんたちの主戦場
待合室。別に感染症患者のための隔離スペースがあります。
このソファも替えたいんですが、予算承認待ちです。
TVはいつもNHK。
 
 
 

調剤スペース。限られた在庫しかないので、その中でやりくりします。
撮影した時は先代の分包機が鎮座しています。
以上ちょっとした夜間急病センターツアーになりました。

平成17年運営開始以来8年が経ち、色々と物品の交換を要する時期に来ています。
初代分包機も何人分の薬を作り、地域の医療を支えたのでしょうか?
その労を考えると感慨深いものがあります。
(大輪 武司)




2013年7月11日木曜日

医薬分業対策担当者全国会議

先日の日曜日は七夕でした。各地でイベントや、願い事を飾った笹の葉が見られたことでしょう。
もっとも長野県は地方らしく旧歴での対応になるので、来月までの我慢となりますが。


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そんな折、都内に向かい日本薬剤師会の会議に出席してきました
本来は自分の担当ではないのですが、
長野県薬剤師会が改選に伴い担当者が未決と言うことでの代理出席です。
んで会議の内容ですが、タイトルは「薬剤師の見える化」についてです。
以前もこのブログで書いたのですが、薬剤師の多くはアピールが下手です。
その結果「お前らろくに仕事もしてないのに金もらってんじゃねえよ」と言われてしまっているのが現状です。

この薬剤師バッシングに対して、
薬剤師の仕事内容や役割の重要性についてしっかりPRし、国民の支持を得るために具体的にどうしていくべきか。 と言うことを基調講演の後SGD形式で討議しました。

調剤における薬剤師の役割が、
患者に不利益にならないように有害イベントを削除するフィルターなので、
具体的恩恵を与える医者や看護師と違って患者からの評価を得られにくい。
と言った「なるほど」と思う意見や。

賞与や休暇などの待遇のみ優先する、医療人としての自覚に乏しい薬剤師が、
折からの人手不足と大手調剤チェーンの資本力を背景に増えている。
という辛辣な発言もありました。

資料によると、薬剤師バッシングの中で分業そのものに関する部分では、
特に大手調剤チェーンに逆風が吹いているように感じますcf:日医総研のワーキングペーパー
医師からの苦言で
「母屋はおかゆをすすっているのに、離れですきやき食ってる」
という表現が非常に印象的でした。

まぁ中小の薬局も単にとばっちりを受けただけ、と考えるのは思考停止でしかないですが・・・

ともあれ議論は白熱し、全体会議にてまとめてみると共通のキーワードが浮かび上がってきます。
「お薬手帳の活用」
「疑義紹介の患者への伝達」
「OTC販売などを通した相談機能強化」
「在宅医療を中心とした多職種連携」
「実務実習における医療倫理教育の充実」

どこかで聞いた事あるものばかりです。
違うのは、個々の患者のCSを高めるべく先のツールを用いるという発想です。

知識や技術や志がいかにすぐれていても、それが患者の満足につながらなければ単なる自己満足でしかありません。
海外において評価が高い薬剤師が日本において評価が低いのは、
現に仕事を行っている私達一人一人の責任でもありますもちろん制度の違いもありますが・・・

前にもブログで書きましたが、国民(患者)の支持なくして私達の職種は成り立ちません。
患者さんの「ありがとう」を、どうやったら頂けるのかを
現場にいる一人一人が考え、実行していかなければなりません。
(大輪 武司)

2013年7月8日月曜日

鶴の一声

全国には新型インフルエンザに備えて、各地に備蓄用のタミフルが配備されています。
通常のタミフルは箱が緑色なのに対し、備蓄用は赤色なので通称「赤タミフル」と呼ばれています。
私自身は以前南三陸町で支援物資として大量に送られてきた時に初めて目にしました。

先日その備蓄用タミフルがニュースになっていました。

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タミフル使用期限、3年延長=厚労省

時事通信 7月2日(火)12時35分配信
 厚生労働省は2日、国と都道府県が備蓄し、今年度中に使用期限を迎える抗インフルエンザ薬タミフルについて、期限を3年間延長することを明らかにした。
 タミフルの有効期間はこれまで7年間だったが、製薬会社から10年間まで延長できると報告を受けた。田村憲久厚労相は同日の記者会見で「約1702万人分が廃棄せずに有効活用できる」と話した。 



この一件で2つの事が脳裏をよぎりました。

一件は皆さんお馴染みの解熱鎮痛剤のロキソニンが市販化される際、 今まで劇薬に分類されていたのが普通薬に指定されなおした事。
薬のリスク分類なんて役人の一声で簡単に変わるんだなぁと実感した記憶があります。

もう一つは先の病院での治験データ改ざんです。これは過去のブログにも書いています。

うーん、コンボしたらやだなぁ… 。
薬の安心は吹き飛んじゃいますね。


これを機会に全医薬品で一斉に期限延長の為の検査をして見直す、
という話であれば問題ないんですが、どうにも利権が絡んだ結論ありきの話になっているようで釈然としません。
3年後もまた使用期限延長になるんでしょうか?

他の医薬品も使用期限が倍くらいになってくれると、ウチとしてはロスも減ってありがたいんですが、たまには小さな個人薬局の意見も取り上げて…もらえませんよねー。
(大輪 武司)


2013年7月4日木曜日

調剤IT革命

当初の空梅雨から一転、しっかりとした雨模様が続いています。
農家の人もほっと胸を撫で下ろしている所もあれば、逆に悲鳴を上げている所もあります。



さて、先日レセコンメーカーさんが薬局に見えられたので色々とお話を伺いました。
ちなみに当薬局ではPanasonicのMEDICOMを採用しています。

レセコンに追加で付帯する機能をアレコレ伺う中で、やはり(というかいまさら・・・)電子薬歴には興味があります。
私自身は当薬局で勤める以前には電子薬歴を使ったこともありますし、
新規導入にも立ち会ったこともありますので、運用について少しはわかるつもりです。

メリットとしては
・紙薬歴に比べ入力業務が早くなる(たまに遅くなってしまう方もいますが・・・)
・処方変更点などが視覚的に見やすくなる。
・外部からの情報をその場で引き出せるので投薬時指導に役立つ
・紙薬歴のスペースが不要になる


デメリットとしては
・インデックス性が悪いモノにもよるんでしょうが・・・
・導入時の局内取り決め事項が多い
・ハードを置くスペースの問題(投薬カウンター、監査スペース等)
・コストが高い












といったところでしょうか。
これに加え多店舗展開している所では、店舗間情報共有なども可能と聞いています。
これも大きなメリットでしょうね。

慣れてしまえば電子薬歴のほうが効率的なのですが、
今までやってきた事を変えるのは何かと労力を要するものです。

デメリットの中で挙げたコストとスペースの問題についてメーカーさんとも話をしたのですが、
既存のタブレットを用いてWi-Fiでレセコンと連動するアプリを作って欲しいと伝えました。
他にもレセコンからwi-fiで連動させれば、スマホなどを錠剤・散剤監査システムとして運用することが技術的には可能でしょう。
セキュリティーの問題はあるかもしれませんが、クラウドよりNASなどでクローズドネットワークを構築すれば少しは安心できるかもしれません素人考えですが・・・

と言うわけで、当薬局においてはそういった調剤支援アプリが誕生するまで、
電子薬歴は当面見送ることになりそうです。


今回は調剤薬局に勤める人以外は目が『?』になってしまうような内容でしたが、
他の業界と同様に調剤薬局においても近年IT化は目覚ましいです。

5年、10年後には技術的なことは自動化される可能性も高く、
その省力化された分のエネルギーをどういった方向にもっていくのか?
よくよく考える必要がありそうです。

2013年7月2日火曜日

やっぱりなぁ

今日こんな記事を読みましたが・・・
 

医師ら報酬2400万円を全額受領 治験データ改ざん

朝日新聞デジタル 7月1日(月)8時8分配信
 【大高敦】肥満症改善薬の臨床試験(治験)をめぐり、被験者4人の身長が実際より低く記録されたデータ改ざん疑惑で、治験を実施した大阪市の病院が計2460万円を製薬会社側から治験関連費用として受け取り、病院内部の処理でこのほぼ全額が治験を担当した医師2人の収入になっていたことが朝日新聞の調べでわかった。

 病院に残されたのは3万円余りで、医師2人は昨年、病院を退職した。病院関係者は「院内の設備や職員を使って治験を実施したのに、通常はあり得ないことだ」と問題視している。

 治験は製薬大手「小林製薬」(本社・大阪市)の依頼を受け、医療法人大鵬(たいほう)会「千本(せんぼん)病院」(同市西成区)が2010年4月から実施した。治験責任医師は当時の内科部長(43)で、当時の院長(45)も業務の一部を分担した。治験の契約は病院名で結ばれた。

 朝日新聞が入手した内部資料によると、千本病院は10年4月~12年2月、治験業務を補助していた大手の治験施設支援機関「サイトサポート・インスティテュート」(SSI、本社・東京都)から数回にわけて総額2460万円の振り込み入金を受けた。これらは小林製薬がSSIに支払った費用の一部とされる。

 入金のうち元内科部長に計2154万円、元院長に計245万円が支払われた。看護師1人にも57万円がわたっていた。病院関係者によると、この看護師は「被験者が足りない」として職員を治験に誘うなど、治験業務の一部に関わっていたという。
朝日新聞社
 
 
ノバルティスの件よりも、こちらの方がよっぽどひどいですね。
まあ想定はしていたので、氷山の一角のような気もしますが・・・。
 
これって薬の信頼性が全く無くなってしまいますね。
治験施設支援機関が黒幕なのかもせれませんが、
「小林製薬の薬は全てデータ改ざんによるインチキ商品で、全く効きません」
と言われても返す言葉がなさそうです。
医師と製薬企業との癒着は今に始まった話ではないのですが、
企業・病院・医師の倫理やチェック体制が再び問われます。
薬のデータだけでなく、ガイドラインの策定や医療過誤の隠蔽など、疑惑の対象は広がります。
某番組コメンテーターであれば『喝!!!』が飛んで来そうですね。
 
一社の不祥事が製薬企業全体、もしくは医療業界全体への不信につながる事があります。
翻って自身の薬局もその原因となる可能性もあります。
他山の石ととらえ、今一度襟を正す必要があるのかもしれません。

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(大輪 武司)