ピーク時の半数を割ったものの、避難所で生活をする方も4万人を超え、避難所生活が長期化する様相を呈してきました。
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そんな中で「やはりな」というニュースがあったので、ご報告いたします。
「お薬手帳」避難時は持ち出して 熊本で有効性再確認
⇒http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160515-00010003-sanyo-hlth
「避難所で生活を送るうちに、常用していた薬が底を尽き、
いざ医療スタッフに薬を頼もうとするも、薬の名前がわからず苦労する。」
こういったエピソードは今までもよく言われていたことであり、
実際体験も致しました。
阪神大震災でも東日本大震災でも起きていた事案であります。
さて、今年の4月から「おくすり手帳」を持参しないと、
薬局での支払額も幾らか増えるようになりました。
この理由としては単純に「お薬手帳」の持参率を向上を目指すものとなります。
中々普段自身で中を見る事が少ないかもしれませんが、
こういう時にも役に立つことを、頭の片隅に入れておいて頂ければと思います。
(ちなみに最近は電子版もありますので、スマホのアプリで常用薬の管理をする事も可能です)
話が戻りますが、今回のニュースの中で興味深い流れもありました。
避難所で生活していたが、同じ敷地内に設けられた救護所に出向く気力もなかった70代男性。注意が必要な要観察者のリストから漏れていた。浅野さんは手帳を見せてもらい、治療薬から手足の震えや体のこわばりが起こる難病・パーキンソン病と特定できた。「もし手帳がなければ、そのままリストに載らず、健康状態が悪化した可能性もあった」と明かした。
現在、後発医薬品や一般名処方、配合剤の普及により、医療用医薬品の名称は医療関係者でもかなり把握しにくい状況になっています。
そのような中で、常用薬の判定から病名や病態を推測するのは、手前味噌ながら薬剤師が適任と言えると思われます。
DMATなどの災害時医療におけるチームに、近年薬剤師が加わる機会が増えた理由の一つではないでしょうか。
薬剤師としての日々の業務が災害時でも有用であることを再度認識し、平常時に備えをしておく為の啓蒙を行う。
こういった事も、地域に根差すかかりつけ薬局・薬剤師に求められるのだと思います。
(大輪 武司)