2015年3月31日火曜日

ICT活用

都会の桜の開花がさかんに報道されるようになりました。
当然ながらこちらはまだ蕾で、これから梅の花が咲く頃合いとなります。
先日も自宅の駐車場でふとウグイスの鳴き声を耳にしました。風情を感じますね。

こうやって季節の変わりの差をみると、ここが都会から遠く離れた地であることを実感します。
新幹線やリニアが通らぬここ松本盆地は、かえって喧騒とは無縁でそれはそれで良いのかもしれません。



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さて、話は大きく変わりますが、先日当薬局に新しい機械が搬入されました。
その名は「audit(オーディット)」
「audit」
そこそこの大きさがあります

何の機械かと申しますと、一言でいえば調剤鑑査の補助及びログ作成の為のものです。


「・・・・?」
となると思いますので簡単にご説明しますと・・・

まず、薬局においての一般的な調剤業務の手順は
①受付
②処方箋鑑査
③調剤
④調剤鑑査
⑤服薬指導
⑥会計
⑦薬歴作成
以上のようになります。

この機械は④においてカメラによる画像で薬の識別を行い、重量鑑査により薬の数も鑑査してくれます。
また、鑑査画像を残すことにより、患者さんに出された薬の画像を記録し、後日照会する事が出来ます。

これによりまず調剤ミスやレセプト入力ミスを減らす事ができます。
また、この他にも別の目的もあります。
ここで薬局あるあるネタになりますが、
「お宅の薬局でもらった薬が袋の中に入ってなかったわよ!」
「薬の量が不足している、薬局が間違えたんじゃないのか?」
といった問い合わせが稀にあります。

ほとんどが後日自宅や車内から発見されるのですが、薬局において理論在庫量が合っているとの説明だけでは患者さんに納得して頂けない場合もあり、薬剤師としては気を遣います。
勿論こういった話になるまでの患者背景や状況の把握も必要となりますが、
こういった記録が残せておくと、説得力が増し、現場の薬剤師負担も幾らか減らせる事が出来るかもしれません。
これも一つのリスクマネジメントですね。
鑑査記録画面。
個人情報部分は載せていませんが、画像と薬品名・数量が記録されます。




業務オペレーションからすると余計な仕事が一つ増えてしまう事にはなりますが、
安心感とリスクマネジメントの観点から導入に踏み切りました。
まだ操作に慣れるまで時間がかかりますが、タッチパネルのインターフェースは比較的ハードルが低いように思えます。
タッチパネル(感圧式)で直感的な操作が可能です

新しい機械を入れると新鮮な気分で業務が出来ますね。
日々進化する周辺機器にも少しずつ対応し、よりよい薬局にしていきたいと思います。
(大輪 武司)

2015年3月28日土曜日

新事実

初白星でホッと安堵のため息が出た方もいらっしゃるかと思います。

松本山雅がJ1昇格後、3回目の試合にて念願の勝利を勝ち取りました。
ホーム戦においては、さすがJ1とばかりに他県からのサポーターも数多く訪れているようです。
貴重な勝ち点3が、選手の自信と次への勝利につながる事を願っています。


一方春の甲子園では、地元松商学園が残念ながら初戦敗退となり、無念の敗退となりました。
今回の敗退をバネに、夏の甲子園へ向けてさらなる高みを目指して頂きたいです。



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さて、年度末をむかえています。
薬局においては今年は薬価改定診療報酬改定もなく、うららかな春の訪れを花粉症の処方箋と共に感じている所だと思われます。

当地におきましても、先週の気温上昇と共にスギ花粉飛散数が一気に増加しています。
医療機関に受診する時間のない方や、それまでのつなぎとして市販薬を買いにくる方がどっと増え、憂鬱な表情を浮かべています。


先だって地方紙にも記載がありましたが、松本地域の花粉飛散情報を見ていると中々面白いデータが出ていますのでご紹介。

一般的にスギ花粉は、日光を浴びて気温が上昇した後に雄花から花粉が飛散を開始するため、一日の中でもお昼前後が一番花粉飛散数が多いとされていました。

しかしながら、松本市の合同庁舎に設置されている環境省の花粉観測システム(はなこさん)のリアタイムモニタリングを解析すると、松本においては一日の中で一番花粉が飛んでいるのが真夜中なのです!
これは今までのダーラム型花粉捕集器による一日単位のデータからは判別できなかった事実です。

これは日中が南からの風に対し、夜半は北からの風に変わる事に起因しているように思えます。
北部周辺に原因となるスギ林があるのかもしれませんね。




今までは日中外出する方にマスクの着用などを説明してきましたが、今後は夜間に出かける人にも対策を講じてもらうようお伝えした方が良さそうです。
松本盆地にお住いの皆さんも夜間外出には是非花粉対策にお気を付け下さい。
(大輪 武司)





2015年3月17日火曜日

already or still

「もう」 か 「まだ」 かはそれぞれの立場から心象が異なるかと思います。
コップ半分の水を見てどちらと思うかで、ポジティブかネガティブかの目安になるなんて話もありましたが、その結論に至る背景などを考えると、事は単純ではありません。



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東日本大震災から3/11で4年が経ちました。

良くも悪くもある程度現在の状況に慣れてきた方も多いでしょうが、傷跡は深く、まだまだ支援の輪を必要とされる方も大勢いらっしゃることと思われます。復興は道半ばです。
心新たに防災への意識を高めなければなりません。



地下鉄サリン事件から3/20で20年が経ちます。

当時の事で一番印象的だったのは、松本サリン事件がオウムの一連の仕業だと判明した点です。
20年前は高校の帰りに現場を見てきたり、実際にサリンの被害にあった友人もいる身近な場所での事件でした。

その当時マスコミなどが容疑者としたのは、一被害者である近所の方。
その冤罪が、皮肉にもこのような大きな事件に発展することでようやく解消された、
とういう事実が心に残りました。




節目節目で各出来事を振り返ると、当時の感情と共に過ぎていった時間の長さを感じる事が出来ます。

風化させることなく次へ活かすために、
今一度教訓として捉える必要があるように思います。
(大輪 武司)







2015年3月10日火曜日

春リスク

厳しかった寒さが幾分か緩み、春の足音と共に花粉の季節がやってまいりました。
松本地区でも今週末にスギ花粉の本格的な飛散が確認され、いよいよシーズン突入といった状況です。
暖かくなると外に出かけたくもなりますが、マスクなどの対花粉装備にもご注意ください。


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さて、先日記念すべ第100回薬剤師国家試験が行われました。


自分が受験した時から11年ほど経ったわけですが、その時と違い今は6年制です。
6年制になって何が大きく変わったかというと、やはり実務実習等の臨床的要素が圧倒的に大きくなりました。

その反動のせいか、今年の国家試験では物理や有機化学などの基礎の分野で、一定の点数に達していないいわゆる『足切り』が多かいのではないかとの報告が上がっています。

昨年に続き合格率は低く、既卒者含めの合格率では50%台になるのではないかとも言われ、以前と比べ難関国家試験と位置づけられるようになってきています。


受験生に負けず劣らずやきもきしているのが、企業の採用・新人担当部門ではないでしょうか?
慢性的な薬剤師不足のおり、せっかく新卒求人を確保したと思いきや、まさかの国家試験不合格では立つ瀬もありません。

昨年の今頃聞いた話では、同じような状況にあった病院で人員確保がままならず、
調剤経験のないマネジメント担当薬剤師までもが、急遽調剤業務に駆り出される事態となったそうです。


今しているくしゃみが、単なる花粉症である事をお祈り申し上げます・・
(大輪 武司)



2015年3月3日火曜日

ダブルスタンダード

先月末に業界に激震が走るニュースが舞い込んできました。
(少なくとも自分はそう思っています)
内容はと言いますと・・・

今後は病院内でも薬局作ってもいいよ!
との規制緩和への動きです。
詳細はこちら⇒http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H3S_W5A220C1PP8000/




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今まではどうだったか?と申しますと。
「薬局は医療機関との独立性を担保するために、構造的にも独立していなければならない」
とのお達しがありました。
医療機関から薬の採用、人事、労働時間などで圧力をかけられないように、あくまで医療機関と薬局が対等の関係性を保つための措置の一環ともいえます。
それが今回の規制緩和で解除を検討するとの事です。

具体的に言えば、今までは病院の周りにしか作る事が出来なかった薬局が、今後は喫茶店やコンビニのように院内に作る事が出来る、といった規制緩和です。

これはウチのように面分業メインで行っている薬局にはそこまで影響は大きくないかもしれませんが、門前で調剤を行っている薬局では死活問題になりかねません。
今までと人の流れが大きく変わり、廃業を余儀なくされる薬局も出てくることになるでしょう。



確かに患者さんからすれば、わざわざ院外に出てもらわなくても中でもらう事が出来れば、手間も労力も省け、メリットがあるように思われます。
実際にこの規制緩和が実行されれば多くの人は院内の薬局を利用する可能性が高いです。
しかしながら病院の中に薬局を作れる企業は大手のチェーン薬局にほぼ限られることとなり、ますます大手による寡占化・営利化が進行していくこととなります。この報道の後に大手チェーン薬局の株価が軒並み上昇しています。みな考える事は同じですね。

しかしながらこの規制緩和は医薬分業への逆行ともいえます。
患者さんの時間や労力と、分業メリットである重複投薬や相互作用チェックによる安全性の担保とを天秤にかけたというのでしょうか?
厚生労働省が策定した、薬局のあるべき姿とあまりにかけ離れた薬局が、政府主導で誕生することになり、大いなる矛盾を含みます。




どの業界でも、現場は常に政策などにより右へ左へと舵取りを迫られます。
薬局における最終的な目標である『患者さんを健康に』との羅針盤を見失うことなく、逆風の嵐を切り抜けていきたいところです。
(大輪 武司)