2014年2月20日木曜日

ナノテク

各地にそびえる雪の壁がいつの間にか氷の壁に変わり、中々溶けずに頑張っております。
物流も交通状況の改善に伴い徐々に回復してはいますが、関東からの物資はまだまだ元通りとはいきません。
スーパーを眺めれば、パンや納豆、葉物野菜の欠品が続いています。
先日も日陰で踏み固められ厚く凍りついた道路の雪を、つるはしでエンヤコーラ掘削しました結果腰・背中、腕が筋肉痛MAXに
まだまだ雪害の影響が続きそうな昨今です。

さて、最近記事の紹介ばかりになって手抜きしている気がしますが、大雪とオリンピックネタ以外にも面白い話題がありましたのでご紹介いたします。


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飲み込む「ロボット錠剤」、注射剤に取って代わるか

ウォール・ストリート・ジャーナル 2月19日(水)11時23分配信
 「アスピリンを2錠飲んで明日の朝電話して下さい」という聞き慣れた医者のフレーズも将来的には「ロボット錠剤を飲み込んで下さい」というような表現に取って代わるかもしれない。

 発明家のミール・イムラン氏はそう期待している。イムラン氏は糖尿病などの慢性病状に注射製剤を使う代わりに患者が飲み込む錠剤大のロボットを開発した。このロボット錠剤はグーグルの合弁事業グーグル・ベンチャーズが支援する前臨床試験(動物実験)の段階にあり、体内摂取が可能なポリマーと糖で作られた小さな中空針から成り、小腸に薬剤成分を送達するよう設計されている。

 数年前にはこのような錠剤は考えられなかったが、技術や科学的研究が進歩し、これまで2つのロボット錠剤が米食品医薬品局(FDA)に承認された。

 FDAは2月に入り、イスラエルの医療技術会社ギブン・イメージングが開発した、錠剤大の小腸用カプセル内視鏡「ピルカム」を承認した。ピルカムは結腸のポリープの有無を調べるため体内を撮影する。米プロテウス・デジタル・ヘルスは1年半前に、患者や医師が薬の摂取状況を見極められるよう錠剤に混ぜる体内摂取可能な極小センサーについてFDAの承認を取得した。

 イムラン氏のロボット錠剤はヒトを対象とした臨床試験が実施されていないため、FDAの承認申請までにはおそらく最低1年はかかる見通し。こうした錠剤を数百万個製造するための実質的な資金調達も必要となる。ただこれが成功すれば、ロボット錠剤は、注射製剤が主流の数十億ドルの既存市場を揺るがし、糖尿病や関節リウマチなど数百万人の患者の生活を向上させる可能性がある。

 イムラン氏は他の起業家と比べ、安全な賭けだ。インド生まれでシリコンバレーに研究所やビジネスインキュベーターのインキューブ・ラブスを創設した同氏は、これまで20の医療機器スタートアップ(立ち上げ後間もないベンチャー企業)を設立した。そのうち12社は米医療機器大手メドトロニックなどに買収された。同氏は300以上の特許を保有しており、不整脈を是正する植え込み型除細動器(ICD)の第1号の開発に寄与した。

 インキューブ・ラブスで設立されたスタートアップのラニ・セラピューティクスは昨年、グーグル・ベンチャーズやエンゼル投資ファンドのベンチャーヘルスから資金を調達した。

 糖尿病、関節リウマチ、骨粗しょう症、多発性硬化症などの慢性疾患の治療薬が錠剤の形状で薬物を送達できないのは、胃酸がタンパク質を崩壊させるためだ。

 イムラン氏の構想は、胃や小腸内部に十分な薬剤を送達できるほど長くその場にとどまる「自動ロボット送達システム」で、体内の自然の消化過程が(薬剤成分送達のための)電子装置がなくてもロボット錠剤に一連の機能を果たさせる。

 (酸性度を示す)pH水準が小腸内で高まると、ポリマーの錠剤の外層が内部にあった小さな弁を露出させ、クエン酸と重曹という2つの化学物質を分離する。

 弁が露出すると、これら2つの化学物質が混ざり二酸化炭素を生成する。これがエネルギー源となり、風船のような構造が静かに膨らみ、薬剤成分をあらかじめ含有させた糖でできた針が小腸の内壁に差し込まれる。

 腸の内壁には痛みの受容体がない。針が内壁に差し込まれれば、錠剤から切り離され、有効成分を放出しながらゆっくりと崩壊する。一方の風船やポリマーのサヤは体外に排出される。

 この40年でインスリンなどの薬剤を錠剤の形状で投与する多くの試みがあった。ただ製薬会社は錠剤を小腸に送達できるのに十分なコーティングを作るところまではできたが、そこからは酵素の攻撃を受けるため、錠剤は危機にさらされ、患者にかなりの量の薬剤が届かない状況だった。

 イムラン氏によると、前臨床試験でラニ・セラピューティクスはロボット錠剤が注射製剤と比べ、少なくとも同等に薬剤の吸収を高めると示唆している。

 ラニ・セラピューティクスはあと1年かけてロボット錠剤の研究を進め、2015年には決定的な臨床データを得られると期待している。

 グーグル・ベンチャーズのベイヤース氏は、このデータがロボット錠剤をめぐる自らの主張を裏付ける場合、数百万人の患者が注射製剤や(インスリン投与用)スティックペンなどをやめる可能性があるだけでなく、体内への安全な手段がない第1相臨床試験段階にある治験薬について障壁を新たに取り除く可能性がある。
 
原文リンク→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140219-00000869-wsj-int
 
以前からも「飲む内視鏡カプセル」なんてのもありましたが、その進化版ですね。
注射が好きな人はそうはいないので、新しい技術により選択肢が増えることは好ましいと思われます。将来的にはインスリン生物学的製剤も内服薬ですかね。
また、今までは病院や診療所でしか受けれなかった注射剤による治療が自宅で簡便にできるようになれば、患者負担を減らし、積極的治療へのハードルを下げる効果が期待できます。
 
自分が不良学生の頃はDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)なんて3~4つくらいしか種類がなかったように記憶しています。有機ロボットによる輸送システムなんてSFの世界の話でした。
 やがてはナノマシンやマイクロマシンによる治療がスタンダードとなる未来もやってくるかもしれません。
やがて来るその日、薬剤師はどういった仕事をしているのでしょうか?気になるところです。
(大輪 武司)
 

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