あるところは岨づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。
~島崎藤村 「夜明け前」本文より抜粋~
・・・という訳で、多難の年となった木曽地方へ紅葉狩りに行ってまいりました。
島崎藤村とは逆に、R19を塩尻方面から木曽路に入ります。
谷沿いの道は紅葉真っ盛りでタメ息が出るような景色が続きます。
そういえば去年は赤沢美林に紅葉狩りに行きましたが、
やはり木曽方面の紅葉が素晴らしく、ついつい今年も勝手に足が向かっていました。
さて、そんな谷あいの道を小一時間走り、木曽福島手前で開田高原方面へ向かいます。
途中の分岐で旧道に入り、炭酸泉で有名な二本木の湯を通り過ぎると、
このブログでも何回か登場している『唐沢の滝』に到着します。
普段はほとんど人がいない場所なのですが、さすが紅葉の時期は人だかり。
車が入れないくらいの混みようでした。
滝を後にして地蔵峠を登り切ると、視界が開けて御岳山が望める展望台に着きます。
勿論そこも混雑していました。
写真ではわかりにくいですが、今回噴火があったのは山頂左側。
噴煙もまだ上がり続けていました。
初冠雪の報道がありましたが、ここからではちょっと確認できませんでした。
その後新そばを食べに開田高原へ降りると、お昼時という事もありどこも満員御礼。
しばらく並んでからもさもさとほうばります。
近くの農産物直売所では「灰を洗った」と書かれた白菜、きのこやかぶが並んでいます。
やはり多少なりとも影響はあるでしょうが、一番の影響は風評被害なのでしょうか?
お腹が膨れたところで日帰り温泉の「やまゆり荘」へ。
赤褐色の良い泉質のお風呂でしたが、噴火の影響とは関係なく湯量が減少しているようで、
大露天風呂と足湯は残念ながら使用できませんでした。
帰りがけに駐車場を見ると御岳山の降灰が確認できました。
さすがに御岳二合目の髙さを実感できます。
さらさらしてそうですが、実際はセメントのように固まっています。
手で掻いた跡も自分ではなく、先人が残したものが固まったものです。
これからの時期は長い冬の季節となります。
地元の核産業である観光に暗い影を落とした今回の噴火ですが、
ささやかながら少しでも応援できれば、と思います。
皆様も機会があれば是非木曽路を訪れてみて下さい
(大輪 武司)