思い起こせば昨年の今頃です。
手足口病の流行により夜間急病センターも多くの患者が訪れました。
比較的症状が激しく出るため、髄膜炎まで進行してしまったケースも多かった、と二次病院の医師から話を聞いた覚えがあります。
また、妊婦さんに大いなる不安を与えた風疹ですが、今年は昨年の20~30分の1のペースで落ち着いています。ワクチンなどによる防疫が進んだ成果・・・なのかもしれません。
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そんでもって今年の流行は?と言いますと。
『ヘルパンギーナ』です。
夏休みに入り、関東で流行していたこの病気が徐々に松本地域にも流行しつつあります。
概要を申しますと、ヘルパンギーナは5歳以下の小児を中心に、2~4日の潜伏期間を経て症状が現れます。
具体的な症状としては、高熱・喉の奥の水疱(←特徴的症状)で、基本的には対症療法となり特効薬などは存在しません。
解熱剤などを用いて発熱をコントロールし、後はゆっくり寝て自身の体が直してくれるのを
待ちましょう。
・・・そういえばもう一つ流行しているのが
『エボラ出血熱』です。
ニュースなどでも報じられているので皆さんご存知かと思いますが、致死率が極めて高い感染症です。
アウトブレイクでのパニックをモチーフとした映画のモデルに良く使われる感染症でもあります。
昨年新型鳥インフルエンザの流行が危惧された際も、急病センターにも中国・東南アジア帰りで体調不良を訴えた方が何人か来院され緊張した記憶があります。
田舎の一診療施設にすぎませんが、今や世界はグローバルで身近なものとなり、
パンデミックの一端を担う危険性を常にはらんでいます。対岸の火事ではありません。
幸いにして(?)エボラに関しては空気感染ではないようですが、現在も流行の拡大に歯止めがかかっていないのが現状です。ちょっとヒヤヒヤしています。
流行が過ぎたものもあれば、今まさに流行しているものもあります。
入れ代わり立ち代わりでなんらかの感染症は流行していると考えてよいでしょう。
大人ももちろんですが、特に免疫が未発達な小児においては感染症予防の基本である
『うがい・手洗い』が有効です。
今更ながらの情報かもしれませんが、「予防に勝る治療なし」です。
良い癖をつけて不要な罹患を防ぎましょう。
(大輪 武司)