暦の上では立春を過ぎ、春の訪れを待つ時期ではありますが、
昨今の大寒波でここいらも-10℃前後の凍える日々が続いております。
まぁ去年の異常な大雪に比べれば・・・、
と思うと少しは気が紛れるものの、もうしばらくの辛抱が必要そうです。
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さて、最近巷を騒がしている某チェーン薬局の不正請求のニュースについてです。
原文はコチラ⇒http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150210-00000008-asahi-soci
前回のパターンで要約すると・・・
『忙しくて人手が足りなかったから、薬のカルテ書かずに“書いた”って嘘ついて報酬もらっちゃった(テヘペロ)』
こんな感じでしょうか?
今回の事件について同業者として色々と思う事はあります。
半ば推測もありますが、業界・個人・企業など原因なり影響があるとは思います。
まず企業姿勢ですが、某調剤薬局チェーンによる
個別指導対策でこういった事例があるそうです。
個別指導対象決定通知到着後に、既存の管理薬剤師をその職から外し、個別指導専門の薬剤師を管理薬剤師として配置して本番に臨む、との作戦です。
もちろんこれもごく一部の話であるとは思いますが、結果として既存の管理薬剤師が甘やかされ、日常業務においても保険の事も何もわからないような薬剤師を作り上げてしまうことになります。
そもそも個別指導の意義を理解せず、営利を優先して技術的な側面だけを機械的にこなしている姿は、社会からの支持を得る事は出来ないでしょう。
さらに、現在の慢性的薬剤師不足は、店舗拡大を急ぐ企業にとって足かせとなっています。
それゆえ既存店舗は極力人員を削減し、大型店舗ですら社員は1人で後はパートや派遣なんて薬局も目にします。
結果としてブラック薬局が誕生し、そのしわ寄せとして満足に薬歴を作成する時間をとれないといった背景も考えられます
(あくまで推測ですよ・・・)
もっとも薬歴管理は服薬指導に次ぐ重要な薬剤師の仕事です。それを放棄するのは個人の資質もあるかとは思いますが、薬剤師としてちょっと信じにくいです。
ただし最後にこれだけは伝えておきたいのですが、
ほとんどの薬局はちゃんと真面目に業務を遂行している。
という事です。
自分たちを擁護するわけではないですが、稀にこういった案件が出てくると、ただでさえ薬局パッシングが横行する昨今では、ここぞとばかりにつけ込まれる良い機会を与えてしまうことになります。
実際に今回の件は「調剤報酬引き下げ論」「薬学管理指導料不要論」「分業不要論」「薬剤師不要論」に飛び火しつつあります。
「あのチェーン薬局やっちまったなぁ」
と他人事と思わず、業界全体への不信感を払拭すべく、薬剤師一人一人が日々の業務に今一度真摯に向き合う必要があるのではないでしょうか?
(大輪 武司)