日中はまだまだ暑い日が続いておりますが、
朝晩の冷え込みは徐々に進んで、秋の深まりを感じます。
台風が日本列島を縦断したあたりから秋のアレルギーが加速し、
夜間急病では喘息やじんましんの患者が増えています。
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さて、そんな秋の最中、安倍総理により消費税の増税が確定したわけですが、
当然ながら薬局にも大きな影響が生じます。
参考までにご紹介を・・・
患者さんが医療機関を受診した際、保険診療でのお代に消費税はかかりません。
1円単位をお会計で請求される事は原則的にはないはずです。
薬局でも同様で、消費税はかかりません。
しかしながら、薬局が卸会社から薬を買うのには消費税がかかります。
そして一般小売で言うところの『販売価格』は『
薬価』となり、
これは全国一律の
公定価格で消費税分を転嫁したり割り引いたりすることはできません。
つまり消費税分を最終的に薬局が負担しています
厚生労働省では薬価に消費税分を考慮しているという見解ですが・・・
例として薬価で10000円(正確には1000点、1点=10円で換算)の薬を、
薬局が10%引きで仕入れをしますと9000円になります。
しかし実際にはこれに消費税がかかりますので、
・現在の税率である5%→9450円・・・・・・・・・・・・・・・・・・薬価差550円
・来年度からの税率である8%→9720円・・・・・・・・・・・・薬価差280円
・将来的に予想されている10%→9900円・・・・・・・・・・・薬価差100円
・ここまで上がるかもしれない20%→10800円・・・・・・・・薬価差-800円
←逆ザヤ(赤字)
となります。うーん爪に火でも灯しましょうか?
ちなみに薬局においては正当な理由なく調剤を拒むこともできないので、
薬剤については逆ザヤになると患者が来れば来るほど損をします。
もっとも薬局も医療機関であるために、
薬価差益に頼りきりなのではいけません。
とはいったものの、このままでは消費税増税が薬局経営を圧迫するのは間違いありません。
大手みたいな体力と交渉力があれば寡占化に拍車がかかります・・・(グチ)
ちょっとこの仕組みのままでは困ります。
増税が仕方ないのもわかりますが、システムの改善にも目を向けてほしいものです。
ちなみに医科診療分として、診療所や病院などで用いる医療機器などの消費税増税分としては、来年度からの
初診・再診料の引上げで患者負担増として補填されます。
薬局で購入する薬剤費の方が医療機器より高いケースの方が多そうですが・・・
なんにせよ政治の力ってのは強いんですねぇ。という事をしみじみ感じた秋の夜更けでした。
(大輪 武司)