2016年1月14日木曜日

CR

ふと気が付くと、今年はまだ一度も雪かきをしていません。

ここいら一帯は、長野県の中でも比較的降雪量が少ない地方ですが、ちょと珍しいです。

一昨年の記録的ドカ雪の際に購入を余儀なくされた雪かきスコップも、
倉庫の中でスヤスヤと眠っている状態です。

個人的にはありがたい事ではありますが、なんとなく物寂しいような気もします。


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さてさて、最近気になるニュースとして、
子供の医薬品誤飲事故に関するレポートが、消費者安全調査委員会より厚生労働大臣あてに要請、と言う形で昨年末に出されました。

ざっくりまとめると、
「子供は何するかわからないから、メーカーは医薬品の包装をライターみたいにチャイルドレジスタンス(CR)機能を持たせたものにすべし」
との事です。

本文⇒2015年12月18日消費者安全法第23条第1項に基づく事故等原因調査報告書(子供による医薬品誤飲事故)



確かに夜間急病センターにおいても、医薬品の誤飲が疑われるケースが多々電話にて見受けられます。大体は飲んだかもしれない、という内容ですが・・・

誤飲の原因第一位はタバコですが、昨今の喫煙率の低下を受け徐々に低下傾向にあります。
そして第二位の医薬品が目立ってきたという背景が、本レポートの裏にあるかと思われます。

その本文の中でチャイルドレジスタンス機能を付与した包装の例として挙げられているのが
①強い力を必要とするPTP包装
②プッシュ&ネジ式の包装
③PTPシートにフィルムなどで二重包装とした物
以上の3点になります。



一方話はさらに遡って、昨年の7月になりますが、
日本製薬団体連合会の安全性委員会より、チャイルドレジスタンス容器導入への検討について、厚生労働省に資料が上がっています。
本文⇒子供による医薬品誤飲防止に関する意見書

これもざっくりとまとめると
「チャイルドレジスタンス包装作るにはとんでもなくお金かかるし、どうせ子供はかじって誤飲してるからあんまあり意味なくない?それより家族の管理を啓蒙してくべきでしょ」
という内容(個人的解釈あり)です。



ここで、一薬剤師として私的見解を述べますと・・・。

一部の子供がいる家庭の管理状況のみを考慮して、チャイルドレジスタンス包装を導入するのはコスパが悪すぎます。
当然新包装にかかる費用の一端は薬価に反映され、医療費を押し上げる要因にもなります。
また、高齢者や身体が不自由な方にとっても、非常に面倒な包装変更となり、服薬への意欲が低下する可能性もあります。シニアレジスタンスとも言えます
正直チャイルドレジスタンス包装の採用は、メリットよりもデメリットの方が大きように感じます。

ではどうすればよいのか?となりますが・・・

①水剤⇒既にチャイルドロックの容器が既製品で存在していますので、必要に関して薬局に申し出て頂ければ対応できます。
②錠剤⇒同様にチャイルドロックの容器を活用し、PTPから脱包して保管する事で対応可能です。
(③散剤⇒今のところ対応する用品が存在しないので、管理を徹底してもらう。)

①②の対応策であれば、薬局にて即時対応が可能です。
(※医薬品の種類によっては対応不可のものもあります)

こういった物理的対応もですが、やはり並行して乳幼児健診や定期ワクチン接種、子育て講座などで、誤飲に関しての情報発信を充実させ、啓蒙していく事も必要だと思われます。


ここで翻って薬局において考えてみても、子育て世代の患者さんが来局した際、
小児の誤飲の情報や、その為の対応策を情報発信できる事に気が付きます。

「お薬はどこに保管されていますか?」

起きてからでは遅いので、当薬局でもやれるところから声を掛けていきたいと思います。
(大輪 武司)




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