朝晩の肌寒さが季節の変わり目を知らせてくれる今日この頃です。
秋の訪れを肌でなく鼻で感じる方も多く、ブタクサ、ヨモギ、カモガヤなどにアレルギーがある方は秋の花粉症シーズンインとして、対応が必要な時期になってきています。
さて、先日硫酸を用いた犯行が世間を騒がせました。
その際「薬局で硫酸買えるの?大丈夫??」と言った話題も挙がっていましたので、
その辺を簡単に説明したいと思います。
まず薬局で扱う硫酸ですが、基本的に劇物に指定されており、
その施設許可を得た薬局であれば販売(譲渡)可能です。
ただし、販売(譲渡)にあたり購入者(譲受者)の氏名・住所・職業の記入及び印鑑が必要となり、5年間保存が義務付けられています。
また、18歳未満や薬物乱用者等については販売(譲渡)できません。
次に、薬局にもよるでしょうが、毒劇物の販売頻度はそう多くはないと思われます。
昔は農薬や自家製石けんづくり等で毒劇物がちょこちょこ出ていた時期もあったそうですが、当薬局でも今はほとんど動きがないのが現状です。
そういった理由により、劇物を常備している薬局は極めて稀ですので、基本的にはお取り寄せでの対応となります。
結果として大量購入や頻繁に購入する人は珍しく、
まず覚えられていると思ってよいかと思います。
以上の事よりどこまで有効なのかは定かではありませんが、
薬局での毒劇物入手に関してはそれなりのハードルはあるかと思われます。
加えて、不定期に警察から不審な毒劇物購入者に関する販売の注意・指導もあります。
今回の犯行で使われたのは希硫酸で、どうやらバッテリー液が用いられたそうです。
入手経路は薬局ではないようですが、以前の京都アニメーション放火殺人事件でのガソリン規制強化を鑑みると、これを機に毒劇物も規制強化となる可能性はゼロではありません。
こういった事件が起きる度に規制が強化されのも仕方がない事かもしれませんが、
一番わりを食うのは本来必要である人達というのも、どうにもスッキリしない気分です。
(大輪 武司)