2023年2月1日水曜日

有為転変

最低気温がマイナス2ケタ台を記録する、寒さの底のような時期を迎えています。
反比例して暖房費は上昇を続け、過去最高額を記録した家庭も多いかと思われます。
厳冬期ならではの楽しみ方も様々ありますが、大半の方は気温も懐も温まってほしいのが本音ではないでしょうか。



さて、ニュースや新聞など各種メディアでも取り上げられましたが、1月26日より電子処方箋が解禁されました。
とは言っても実際に対応できる医療機関・薬局は極めて数少なく、皆様がつつがなく利用できるのはまだ先の話になりそうです。
当薬局でも電子処方箋に対応する最初の2歩目くらいであるHPKIを申請している所ですが、2ヶ月くらい何の音沙汰もなく不安になっている所です。

当初電子処方箋については『紙ベースの処方箋が電子化され、メールのように薬局に飛んでくる』と言ったイメージを持っていましたが、理解が進むにつれそれは間違いだったことに気づかされました。



上図(厚生労働省資料より抜粋)の通り、医療機関から薬局に至るまでに支払基金・国保中央会所管の『電子処方箋管理サービス』を経る必要があります。
これにより重複チェックなどを機械的に行い、患者の健康被害削減と共に無駄な医療費の削減を図りたいというのが国の狙いの一つとなっています。

上記観点より当システムはいずれ義務化する可能性が高いです。
マイナンバーカード、オンライン資格確認と同様に、まずは診療報酬改定における加算等での誘導、その後義務化もしくは減算対応といったロードマップが予想されます。
既にデータ蓄積の為、電子処方箋を発行せずとも当システムを活用するよう告知も出されており、本格的な導入に向けて動き出しているように見えます。

さらに将来的には、AI等を活用した電子処方箋管理サービスの機能拡充も十分考えられます。これにより現行の薬の重複だけでなく、薬の相互作用、各種検査の重複や保険適応外処方など多岐にわたる内容がチェック対象となります。
そしてその対象の多くが現在の薬局業務となると・・・
再び薬局・薬剤師不要論が沸き上がってくるのではないでしょうか?




時代と共に社会のニーズは変化していきます。
知識面でAIを凌駕するのは難しいので、危機感をもって変化し、対応していく必要がありそうです。
(大輪 武司)