2013年6月20日木曜日

レーゾンデートル

最近調剤薬局や薬剤師にに対しての逆風が吹いています。
医薬品のネット販売解禁への舵取りから始まり、
昨今のメディアでも調剤薬局不要論や医薬分業廃止論も噴出しています。

それでは、医薬分業におけるメリットは何か?と言われた時に自分が思いつくのが、
「ベストな治療薬を選択できる」という事です。

個人医院などで院内調剤を実施すると、採算性の問題から少数の品目しか薬剤を在庫できない可能性が高いです。
そうすると「患者に適した薬」ではなく、「診療所にある薬」でしか対応できません。
これは患者においてベストな治療を損なう可能性があります。

勿論院外調剤においても、軽く1万点を超える医療用医薬品の全てを在庫しているわけではないので、薬によっては在庫していないものもあります。
その場合でも迅速に卸から薬品を取り寄せたり、薬剤師が同効薬への変更提案をしたりすることで対応致します。

他にも医療の透明化やチェック体制の強化、きめの細かいサービスや複数医療機関受診時の相互作用確認、市販薬との相互作用チェックやジェネリックへの切り替えなど、挙げ出すとキリがないですあくまで薬剤師側の視点でしかないのですが・・・


国民からの支持なくして薬剤師の未来はないのですが、
自分も含め多くの薬剤師の方は気質的に自己アピールが下手です。

・来局した患者さんに対して丁寧な応対をして接する。
・淡々と作業的なルーチンワークをこなす。
・調剤薬局内での業務改善を推進する。

など、薬局の中においては如何なく能力を発揮するのですが、
薬局の外に出て活動するのがあまり得意ではありません。
大手チェーンは最低人数で切り盛りしているので店舗に人的余裕など存在しないというのもありますが・・・



厚生労働省の提唱する健康日本21においては、
地域包括的な医療施設の一員として薬局が記載されています。
他職種との連携を密にし、専門分野を活かして地域に還元する。

そんな姿が薬剤師に求められています。


今は多くの薬局において調剤がメインの業務ではありますが、
国民からの支持がなければ調剤報酬改定において確実にマイナス改定となります。
採算が採れない薬局はつぶれ、3~4社の大手による寡占的業務となる可能性があります。

家電業界において、町の個人店から郊外型大型店、大型店からネット販売に形態が変化してきています。
薬局においても他人事ではありません。

5年後、10年後の姿がどうなっているかは中々予想しづらいですが、
地域での連携を軸に、危機感を持って研鑽していきたいと思います。
(大輪 武司)

0 件のコメント:

コメントを投稿