2013年6月4日火曜日

疑惑と真相

梅雨空から一転夏の陽気が続いています。
農業に携わる方から悲鳴が聞こえてきますが、お天道様の所業はどうにもなりません。

雨乞いなどの神事が行われる前に、適度に降って安心させて頂きたいものです。


さて、昨今製薬業界を騒がしている一件があります。
新聞やニュースなどでも紹介されていたので、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが・・・

製薬大手社員、臨床論文に不適切関与 研究の中立に問題

朝日新聞デジタル 5月23日(木)5時2分配信
製薬大手社員、臨床論文に不適切関与 研究の中立に問題
高血圧治療薬の研究をめぐる構図(イメージ)
 【編集委員・浅井文和】製薬大手ノバルティス(本社・スイス)の日本法人は、社員が高血圧治療薬ディオバン(一般名・バルサルタン)の効果を調べる臨床研究に関与しながら、論文には社員の身分を明示しなかったとする社内調査報告をまとめた。データ解析にかかわっていたという。「不適切だった」として、22日に日本医学会などに報告した。中立性が求められる研究が「企業寄りではないか」と疑いの目で見られかねない事態となった。

 報告によると、問題になったのは京都府立医大、東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大がそれぞれ中心となりディオバンを他の薬と比較した五つの医師主導臨床研究の論文。2007~12年に発表された。

 ディオバンは国内売り上げが年間1千億円を超える看板商品。同社はこうした論文を医師向けの説明文などに引用して宣伝してきた。論文に社員の名前が掲載されていたが社員の身分は明記せず、肩書を示す場合は非常勤講師だった「大阪市立大」と記載。滋賀医大に関しては、別の社員1人も社員と明示せずに加わっていた。2人とも現在は同社を退職しているという。
朝日新聞社

元ネタ→http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130523-00000005-asahi-soci


この話からすると、結論として「データの信用性が疑わしい」とのことですね。
焦点としては3つあります。
①データの改ざんがあったか
②企業が後押しして、大学の非常勤講師と言う肩書を取得させていたか
③大学側は事態を把握していたのか

①は研究者個人のモラルの問題で、②は組織の問題にあたります。③は両方関わりますかね・・・

推測にすぎませんが、多かれ少なかれ組織的な関与はあったと思われますし、
これがノバルティスに限らないことだとも思います。あくまで推測ですよ(汗

もちろん真摯に研究を行い、データを作成している方もいると思います。
そういった方が報われるようなシステムを作らないと、信頼の回復は難しいでしょう。

研究が中立である・・・・理想ですね。そうなったら良いんですが。
「某先生はこちらの意向に沿った良いデータを出してくれる」なんて噂もチラホラ


何にせよ、今回の事件は氷山の一角であるでしょう。
その温床を断ち切れるかどうか。自浄作用が働くかが今後の見どころだと思います。
そしてディオバンOD錠の発売、売上はどうなるでしょう?

(大輪 武司)


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