2014年7月24日木曜日

藪の中


『ノ社』⇒『ノバルティス・ファーマシー社』の略であることが当たり前だとわかるように、連日報道記事が紙面を賑わせています。
その中でいよいよ問題の核心の一つにスポットが当たりはじめましたするので、記事をご紹介といきます。




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<バルサルタン>奨学寄付金の公開進まず 使途チェックなし

毎日新聞 7月23日(水)7時15分配信
 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の一連の臨床試験が疑惑視されるきっかけは、製薬会社ノバルティスファーマから研究者側に渡った億単位の「奨学寄付金」が隠されていたことだった。だが、大学側の奨学寄付金に関する情報公開は進んでいない。専門家は「このままでは事件の教訓が生かされず、疑惑の構図が繰り返されるだけだ」と危機感を募らせる。

 「なかば観光目的で海外の学会に行ったり、私用のノートパソコンを買ったりするのに奨学寄付金を使っている。『俺には薬を選ぶ権利があるんだぞ』と出入りの製薬会社員にアピールしながら金を出させる。どこからいくらもらったかは公にしたくない」(ある大学医学部の医師)

 別の研究者は「使途は報告するが詳細にチェックされず、使い勝手がいい」と言う。

 バルサルタン事件では、ノ社と臨床試験をした5大学が、計11億円余に上った奨学寄付金の額をなかなか明らかにしようとせず、不信感を高めた。各大学は「関係書類の保存期間が決まっており、それ以前分は分からない」などと釈明するばかりで、全体像の把握はノ社頼みとなった。

 また、各国立大や公的研究機関には「研究者が財団などから直接もらった研究助成も、不正を防ぐために研究者から大学などに寄付させる」(文部科学省)との規則があるのに、寄付されないケースも後を絶たない。会計検査院の2010~12年度の報告書ではこうした研究助成が計6億3404万円に上った。このうち7505万円が使われずに研究者の手元に残っていた。

 一方、情報公開を進める大学もある。和歌山県立医大は、教授が病院から受け取った資金を大学に納めていなかったと批判を浴び、12年度から奨学寄付金に関する情報をホームページで公開している。企画研究課長は「時代の流れだ」と話す。

 だが、こうした取り組みはまだ少ない。国立大病院長会議は先月、企業などからの資金の公表に関する指針をまとめたが、奨学寄付金については診療科ごとの件数と総額にとどめ、「企業に迷惑がかかるから」と寄付元は明かさないという。

 東京大医科学研究所の上昌広特任教授(医療ガバナンス)は「徹底した情報公開で資金を透明化しなければ、失われた信頼回復は望めない。透明化することで寄付が減っても仕方がない。質が悪い研究が淘汰(とうた)されるだけだ」と指摘する。【河内敏康、八田浩輔】

 ◇奨学寄付金

 企業や個人が大学などを通じて研究者に提供する寄付金で、寄付側に税の優遇がある。2012年度は製薬業界だけで計346億円に上った。国が1963年、国立大向けに受け入れ規定を示して管理を指導してきた。
 
 
原文URL⇒http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140723-00000008-mai-soci
 
 
 
 一般の方から見て、ぶっちゃけた話ワイロと捉えられても致し方ない慣習ですね。
見返りはメーカーの期待するデータ作成に繋がり、日本発のデータは国際的信憑性に劣るというレッテルを貼られる結果となります。果ては国内業界の衰退ですね。

この慣習を絶ち、失われた信頼を回復させるべく、業界がどのような透明性の確保を打ち立てるのでしょうか?自浄能力の有無がそこで判断されると思われます。
 
 
あともう一つの“問題の核心”は『ノ社』の組織的関与があったかどうか、がしっかりと究明されることでしょうか。まぁ当然組織ぐるみであったと推察されますが・・・
また、他の製薬会社さん、大学等研究施設はどうなんでしょう?利権あるところに汚職ありですかね
 
まだまだこの事件は後をひきそうですね。
 
(大輪 武司)

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