寒さのピークを越え、花粉とともに春の訪れを感じる今日この頃です。
振り返れば雪かきをしたのは今シーズン1回だけでした。
記録的大雪にも見舞われた地域も多い中不謹慎であるかもしれませんが、
ほぼ使うことなくサイズアウトしていく子供たちのスノーウェアを見ていると、
なんだか寂しい気持ちにもなります。
さて、先日日本薬剤師会からいわゆる「カスハラ」ポスターが届きました。
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昨年日本薬剤師会学術大会で公式キャラクターとしてお披露目された 『ふぁるみん』も、右隅でしっかりと仕事をしています。 |
また、それと合わせて実際に起きた薬局でのカスハラ事例の収集も開始されています。
「カスハラ」が社会問題として全国的に認知された事により、
こういった啓蒙が薬局においても行われているようになったと思われます。
こういった掲示物により薬局でも毅然とした態度で「カスハラ」患者に対応する際の印籠になるかもしれません。
しかしながら、以前より「カスハラ」を生むのは我々薬局側にもその一端があるのでは、
と個人的に感じています。
すなわち「カスハラ」や「クレーマー」はその薬局、もしくは以前通っていた薬局で『嫌なこと』があり、進化した患者さんのなれはてであるケースが多いのではないでしょうか?
この『嫌なこと』には
「すごく待たされた」
「順番を抜かされた」
「プライバシーへの配慮が足りない」
「薬を間違えて調剤された」
「値段が高い」
などが代表的ですが、以下薬局側のいいわけを付け加えてみます。
「すごく待たされた」⇒実は一包化や疑義照会などで時間がかかっている。
「順番を抜かされた」⇒FAXなどですでに調剤が終了している人が後から来た。
「プライバシーへの配慮が足りない」⇒難聴の患者さんが多いため投薬時の声が大きい。
「薬を間違えて調剤された」⇒一般名処方で、以前使用されていた薬と採用メーカーが異なる。
「値段が高い」⇒公費の対象薬局設定の有無。限度額複数回認定の未達など。
もちろんすべてが該当するわけではありませんが、
上記のような可能性も考えられます。
まとめると、薬局を利用する患者さんと薬局スタッフとのすれ違い・コミュニケーション不足が「カスハラ」「クレーマー」を生み出す原因の一つとなっているのではないでしょうか。
自分の行動を顧みても、日々の業務で忙殺されると「わかっているでしょ」との思いで、
つい説明をおざなりにしてしまう事があります。
モンスターを作り出してしまっているのは自分かかもしれない、
という現状を反省しなければなりません。
今回のポスターの一件を機に、考えさせられた次第です。
(大輪 武司)