2018年4月12日木曜日

Pandemic

里の桜もあっという間に見ごろを過ぎ、本格的な春の時期を迎えています。

「桜の花が咲けば花粉症もピークを越える」
との言い伝えの通り、4月に入りちまたのスギ花粉量は減少傾向にあります。

しかしながら、ヒノキの花粉はこれからGWまで飛散しますので、まだまだ油断はしない方が良さそうです。



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さて、新年度になり各種制度も新しくなりました。

この業界も多分に漏れず、今年度は2年に一度の診療報酬改定と、3年に一度の介護報酬改定が重なる、いわゆるW改定の年でした。

まずは介護・医療関係者共に、届出等改定への対応お疲れ様でした<(_ _)>

そして診療報酬改定の中で、ちょっと目を引いたのが新設の
「小児抗菌薬適正使用支援加算」です。



ある日子供のカゼでかかりつけの医院を受診された際に、
今まで当たり前のように出ていた抗菌薬が処方されず、
抗菌薬が必要でない説明の紙を渡されるかもしれません。
そこで「なんで抗菌薬を出さないんだ!」と怒らないでください。

それでは以下が新設加算の内容です。



◆小児抗菌薬適正使用支援加算:80点(新設)算定要件】
・急性上気道感染症または急性下痢症により受診した小児であって、初診の場合に限り、診察の結果、抗菌薬投与の必要性が認められず抗菌薬を使用しないものに対して、抗菌薬の使用が必要でない説明など療養上必要な指導を行った場合に算定する。なお、基礎疾患のない学童期以降の患者については、「抗微生物薬適正使用の手引き」に則した療養上必要な説明および治療を行っていること。

【施設基準】
・感染症の研修会等に定期的に参加していること。
・病院においては、データ提出加算2を算定していること。



これまでいわゆるカゼなどに対しは、抗菌薬が必要でないケースがほとんどであったと思われますが、患者側からの要請や、念のためと言った理由で処方されているケースが数多くありました。

このように抗菌薬が広く使われる過ぎる事が耐性菌の出現する土壌を作り上げるとして、厚生労働省ではガイドラインを策定して抗菌薬の抑制に乗りだしていました。
しかしながら、遅々として効果が現れず、今回の加算新設にて更なる一手を繰り出してきた次第です。


必要性のない薬を用いることにより保健財政を圧迫させるだけでなく、
抗菌薬においては、大げさではなく人類の脅威を作り上げてしまう事になりかねなません。



今回の改定により無駄な抗菌薬処方が減り、抗菌薬の正しい使い方を多くの人に理解してもらえるキッカケになればと思います。
 
(大輪 武司)



2018年3月15日木曜日

(仮)

季節はあっという間に進み、初夏のような汗ばむ気温となっています。
三寒四温も今や昔となり、
暖房の次は冷房と、エアコンの休む間がありません。



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そんなおり残念ながら絶好調なのがスギ花粉です。

上記松本保健所のデータを見ると、3/7に突如大飛散しているのがよくわかります。

ここで、3/1からの松本市の気温データ(by気象庁)を比較してみましょう。
 
これをみると、意外にも3/7当日は気温が低いことが分かります。
 
さらに同じ横軸で、風速のデータを比較してみます。
 これを見ても、3/7当日は風も弱い事が分かります。
 
 
 
 
 
???
 
花粉が飛散するのは気温が高く、風が強い日では???
と思うかもしれません。
しかしながら実際のデータを見ると合致しないのが分かります。
 
 
 
なぜなのか?と言う問いに確たる答えがあるわけではありませんが、
可能性として考えられるポイントもあります。
 
①3/3~5までと共に気温が急上昇してて、南風も強く吹いている
②測機器がダーラム型花粉捕集器である
 
ダーラム型花粉捕集器
 
 
実はスギ自体は気温上昇と強風に伴い、
3/3あたりから花粉を放出している可能性が高いです。
 
しかしながら強風で舞い上げられた花粉は、
僅か30μmという軽さを活かし、高高度まで大気中を駆け巡ります。
 
 
そして風がない3/7にゆっくりゆっくり数日分が自然落下し、
地表にあるダーラム型捕集器に達するまでにタイムラグが生じる。
 
といったところでしょうか。
 
 
以上はあくまで仮説ではありますが、やはり強風・気温上昇の条件下では、
測定値が低くとも花粉が飛散している可能性が高いと思われます。
 
まだまだあと一か月は用心が必要な時期となります。
花粉症の方も、そうでない方は今後の発症を防ぐためにも、
外出時のマスクや洗濯物の室内干しなど、対策を実施しましょう。
(大輪 武司)
 
 
 

2018年2月17日土曜日

五輪

立春を過ぎ、春うららまで後僅かなところでの足踏みが続いています。



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そんな寒風が身に染みる折り、
お隣の平昌で行われているオリンピックは熱視線が注がれています。

冬季オリンピックは場所がら長野県出身の選手が多いのですが、
その中でも主将を務める小平選手は、地元の相澤病院さん所属という事で注目されています。

最近では相澤病院さんと小平選手のエピソードも、
全国区のメディア等で扱われています。

以前に「神様のカルテ」の舞台としても名をはせた病院でもありますので、
元々有名ではありましたが、今回の件でさらに名を広める事となりました。


多くの病院関係者は思わぬ好感度上昇に、
よりいっそう応援の熱が入る事でしょう。


・・・


と書いていたら、どうやら男子フィギュアの結果が出たようです。
おめでとうございます!




(大輪 武司)








2018年2月5日月曜日

見えぬが仏

寒波が続き、インフルエンザが猛威を振るっています。

当薬局でも抗ウイルス薬をお渡しする人が1月下旬ごろから増え、
近隣の学校でも学級閉鎖の情報を耳にします。

今シーズンは稀にみるインフルエンザA・B型の同時流行により、
ここまでの感染者数を記録しています。

しかしながら予防対策はいつも通りではありますが、加湿・手洗い・ノドの保湿です。
特に不特定からの接触感染を避けるため、手洗いはこまめに行いましょう。



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さて、インフルエンザだけでなくこの時期流行り出すと言えば・・・
花粉症です。


環境省の花粉観測システムである「はなこさん」によると、
全国的に飛散が観測され始めています。

松本保健所の観測地点では今の所確認されていませんが、
長野市や上越市では本格飛散が開始しています。


花粉症によるアレルギーで鼻粘膜や咽頭粘膜が炎症を起こせば、
バリア機能が低下し、インフルエンザなどの感染症にもかかりやすくなってしまいます。

花粉症をお持ちの方は、マスクなや抗アレルギー薬など、
今からしっかりと対策をしておいた方が良さそうです。






目に見えないだけで(目に見えない方が幸せなのかもしれませんが・・・)
世の中に色々なものが飛び交っている時期です。

病気にかからない・負けないように、規則正しい生活をし、
しっかりとした知識に基づく予防を心掛けましょう。











2018年1月3日水曜日

謹賀新年

青空に映える雪化粧をした北アルプスを眺めると、
なんとなくめでたいような気持ちになるとともに、
ピリッと肌を刺す寒風が身に染みます。


今年は今の所雪かきをするような事もなく、
落ち着いたお正月を過ごしている方も多いかと思います。


それでは皆様改めまして、

あけましておめでとうございます。
本年も変わらぬご愛顧の程、宜しくお願い致します。



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本日は休日当番薬局ですが、
今の所平和な状況で、年賀はがきを精査しているような雰囲気です。




さて、今年は例年になくお屠蘇の問い合わせが多く、
申し訳ない限りですが、年末早々に売り切れてしまい、多々ご迷惑をおかけしました。

年始に慌てて仕入れても、時すでに遅し。
という訳で、今年の12月に忘れぬよう備忘録としてこのブログに書き記しておきます。




ちなみにこのお屠蘇ですが、店頭に並べると独特の芳香を放ち、存在感をアピールします。
薬剤師であれば「S・M配合散」「つくしA・M配合散」を頭に浮かべるかと思います。

詳しく調べると中身の成分は生薬ではあるものの、薬用量には遠く、
薬効を期待するものではないようです。

しかしながら年末年始で疲れた胃腸を休め、厳冬期に体を冷やすことのないように。
という先人たちの知恵が風習となり、お屠蘇となって今に残っているように考えられます。




知恵が習慣となり、風習を経て伝統から文化に変わる中で、
特に「食」については健康を意識した物が数多くあります。

その健康を願う気持ちの行き着いた先が、
私たちが扱うなのかもしれません。




それでは皆様におかれまして、本年もご多幸、ご健勝に恵まれますよう祈念して、
新年の挨拶とさせて頂きます。

(大輪 武司)




2017年12月30日土曜日

年末のご挨拶

「早いもので今年も残すところ後僅かとなりました」
という常套句をあちこちで目と耳にします。

2017年も過ぎてみればあっという間だったのではないでしょうか?


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いつもの月末処理の他に、お正月の飾りつけをし、
心ばかりの大掃除や片づけをを行い、
比較的ゆっくりとした時間が薬局を通り抜けていきます。


今日で当薬局も今年最後の営業となりました。


今年も皆様のご愛顧に感謝し、また来年以降もご期待に沿えるよう、
スタッフ一同精進して参ります。

年明けは1/3より営業しております。

インフルエンザも流行してきていますので、
体調を崩して薬局に駆け込むことのないようお祈り申し上げ、
年末のご挨拶とさせて頂きます。


それでは皆様良いお年をお迎えください!



(大輪 武司)












2017年12月12日火曜日

スイミー

大寒波の襲来で、日本海側は冬将軍が猛威を振るっているようです。
あっという間に本格的な冬シーズンとなり、年の瀬の到来を肌で感じる事が出来ます。


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さて、2年ごとに行われる診療報酬改定の中で、
来年度の調剤報酬改定に向けて議論が白熱しています。

...と言っても薬剤師側は毎回防戦一方で、叩かれる一方ですね。

全国学術大会に参加して頂いた総理までも、
調剤報酬の見直しについて言及しているほどです。
(薬剤師会は民主党政権時代にも自民党を推していたのに、という恨み節)



ここ数年、調剤報酬改定ごとにどこからともなく薬局の不祥事がリークされ、
分業不要論、薬剤師不要論が活気づきます。

前回調剤報酬改定の際、日本薬剤師連盟の機関紙「POWERS」では、
「薬剤師は悪魔の手先か!?」
といったセンセーショナルな見出しが印象的でした。




勿論叩けばホコリが出るようでは、叱責もしかるべきではあります。
そこはしっかりと襟を正す必要があるでしょう。


しかしながら、報酬改定の度に絶妙なタイミングでこのような話題が盛り上がると、
何かしら「既定路線」「謀略」「世論操作」と言ったよからぬ単語が頭に浮かびます。
『とりやすいところからとってやろう』



こういった『政治的』な動きに対して対抗するには、個人の力では中々難しいものがあります。
かといって自身を伏魔殿のような世界に投じるのは覚悟が要りますし、何よりも面倒です。
多くの人はこの段階で「政治嫌い」となり、お酒の席で上の人の愚痴を言いながらも関与を嫌います。

するとこれはまさに思うつぼで、声なき所に問題なしとばかりに施策を進めていきます。
結果として政治力の強い意見ばかりがますます世にはばかり、自らの首を絞める事になります。

残すところ僅かで調剤報酬改定の骨子は確定します。
これは一つの政治的な結果であるとも言えます。
そしてその内容は各薬局の経営状態を揺さぶり、
人員増加の中止や出店計画中止、
給与や賞与の減少や、
存続中止といった身近な問題となって降りかかってくるでしょう。





薬物を通した患者さんへの、よりよい医療の提供が第一義ではあります。
が、その質を担保するためにも調剤報酬は大きなファクターであるのも事実です。

様々な場所でアピール下手と言われる薬剤師ですが、
目をそらさず、声を上げ、スイミーとなり対応する必要があるのではないでしょうか?

(大輪 武司)